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経営者と従業員の働き方に関する意識調査からみるテレワーク活用の現状

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テレワークの活用と導入の不安、課題はコミュニケーション・ロス

 ICTを活用して場所や時間にとらわれずに働く「テレワーク」については、全体の43%が「興味がある」と回答。しかし、実際にテレワークを導入している企業は全体の14.3%と、非常に少ないことが露呈される形となった。
 また、テレワークを認知している企業では、約半数以上が「既に導入している」、「導入を検討している」と回答しているのに対して、非認知層では「既に導入している」、「導入を検討している」と回答した割合が6.1%にとどまり、認知度によってテレワーク導入の姿勢に影響を与えているといえるだろう。

 テレワーク導入に際しては、「社内の打ち合わせがしづらくなる」、「在宅勤務者とオフィス出勤者の会話が減る」といった懸念を持っており、いずれもテレワークを導入することによって、社内コミュニケーション・ロスが発生することを不安視する声が高い。
 ただし、テレワーク実施の際に「どこにいてもスマートフォンやパソコンで内線電話が利用できればコミュニケーションが取りやすくなりますか?」という質問に対しては、52.5%が肯定的であり、過半数を占めた。
 つまり、ICTツールによってコミュニケーション・ロスの解消を期待する傾向がうかがえた。

 そうしたコミュニケーション・ロス解消を期待されているICTツールではあるが、経営者のうち「自身のICT活用力・リテラシーに不安がある」と回答した人が53%にものぼる。
 加えて、「ICT関係の投資設備にあてるコストを捻出できていない」が52%、「ICT投資の効果算定をもとに投資額の判断がついていない」が63%という結果となり、ICTリテラシーやコスト面での不安が課題となっている。

「企業戦略」としてICTサービスを活用したテレワークを

 テレワークマネジメント代表・田澤由利氏(以下田澤氏)は、テレワークの導入は近年「単なる『福利厚生』ではなく『企業戦略』」に変化していると指摘している。
 従来の一日中会社で働くという勤務形態では「生産年齢人口の減少」、「女性の社会進出」、「介護離職の増加」などで会社に必要な従業員の確保が難しくなるため、その対策としてテレワークを導入する企業が増えている、というのだ。
 他にもテレワーク導入による「生産力向上」、「人材確保」、「災害対策」などのメリットにも田澤氏は注目している。
 これらを効果的に生かすにはオフィス家賃、社内インフラのコストを最低限におさえ、ICTサービス・ツールへ投資する「時代を生き抜くコスト」が重要であると指摘している。

サービス品質維持と柔軟な働き方の環境構築へ~星野リゾートの事例~

 星野リゾートは総合予約窓口におけるコンシェルジュ業務について、在宅で電話応対業務ができる環境を整え、熟練したスタッフが出産や育児、介護などで一日中出勤することが困難であるときも業務を行うことができるよう、ICTサービスを積極的に導入している。
 同社は在宅でも顧客に対するメール対応業務を実施することができるよう早くから制度を取り入れていたが、電話対応までは在宅で対応することが出来ず、優秀なスタッフのスキルを活かせなかったという。そうした課題を解消すべく、PBX(企業構内の電話交換機)やビジネスホンを使用せずに、クラウド上にあるIP電話サーバーによりPBX機能と内線機能を実現するクラウド型サービスを導入、センターで行うクオリティと同等の電話応対を在宅でも可能にした。これはテクノロジーの進化により、柔軟な働き方とサービス品質の担保という両軸を見事に実現させた良例といえるだろう。

 労働人口減少の中、企業が生き残っていくために多様な働き方が出来る環境を用意する必要がある。
 現在テレワークに対しての認知度は上がっているが、実際に導入している企業というのはまだまだ少ない。
 人材確保のみならず、サービス品質維持・向上や企業成長といった側面でもテレワークの活用に注目していきたい。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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