中小企業の障がい者雇用創出に救いの手か。「ウィズダイバーシティプロジェクト」へ参加のエーシークリエイト、その仕組みとは

株式会社エーシークリエイトは2023年5月14日、中小企業と障がい福祉団体でチーム(組合)を結成し障がい者雇用を促進する仕組みである「ウィズダイバーシティプロジェクト」に、同年4月より参画したことを発表した。同社は、本プロジェクトのサービスを活用して社内の福利厚生の拡充を図るとともに、社員の障がい者雇用への関心や理解を促進し、幅広い雇用安定に寄与していきたいとしている。

企業と福祉団体が連携し「仕事の確保・発注」、「障がい者の雇用管理」の役割を分担

エーシークリエイトは2023年4月より、株式会社ローランズによるウィズダイバーシティ有限責任事業組合「ウィズダイバーシティプロジェクト」に参画した。「ウィズダイバーシティプロジェクト」は、中小企業と障がい福祉団体が有限責任事業組合(LLP)を組織し、それぞれが連携することで、障がい者の「仕事の確保・発注」、「障がい者の雇用管理」の役割を分担し共同で障がい者雇用創出する取り組みだ。「ウィズダイバーシティ有限責任事業組合(LLP)」は、国家戦略特区(東京都)の特例によりLLPを活用した算定特例組織として、日本で初めて認められている事業だという。

同社が本プロジェクトを知ったのは、障がい者雇用にあたって最適な方法を摸索する中でのことだったという。また本プロジェクトへの参画を決めたのは、「一人ひとりの特性を活かした雇用の実現」、「障がいを持つ方の雇用の安定」、「企業の枠を超えた雇用創出」の3点に意義を感じたためとしている。

「ウィズダイバーシティプロジェクト」が手掛けるサービスには、「植栽の美観管理」、「レンタル観葉植物」、「ひまわり弁当(宅配サービス)」などがある。企業が障がい当事者に依頼したい業務を選択し、あらゆる部署がそのサービスを利用することで社内の障がい理解を深め、インクルーシブな取り組みの拡充が図れる仕組みとなっている。エーシークリエイトでは、実際に「おにぎりやサンドウィッチのランチ配達」、「社内のグリーン整備」などのサービスを既に活用しているという。同社は今後もさまざまなサービスを利用し、社内の福利厚生の拡充と従業員の障がい者雇用への関心および理解を促進していきたい考えだ。

2024年4月から障がい者の法定雇用率が引き上げられる。企業は障がい者雇用にさらに真摯に取り組む必要があるが、担当業務の切り出しや従業員への理解促進などに課題を抱えているところもあるだろう。障がい者雇用について課題を抱える企業にとっては、こうしたプロジェクトへの参加やサービスの活用をすることも有効といえそうだ。