大企業の“リスキリング予算確保”の実態は? 多くがeラーニングを活用して「マーケティング分野」に注力か

株式会社グロースXは2023年3月9日、「大企業のリスキリング予算の確保に関する実態調査」の結果を発表した。調査期間は2023年2月20日~22日で、従業員1,000名以上の大企業の経営者・役員および人事責任者の計100名から回答を得た。調査結果から、リスキリングに関する予算の確保状況のほか、リスキリングを重視する分野の傾向などが明らかとなった。

約8割の大企業がリスキリングの予算を「確保/検討中」と回答

自社人材の強化に向け、従業員へのリスキリングを支援する企業の動向が伝えられるようになってきているが、大企業におけるリスキリング予算の確保状況はどうなのだろうか。グロースXはまず、「来年度予算として、リスキリングの予算を確保/検討しているか」を尋ねた。すると、「確保している」が45%、「検討している」が32%と、既に予算を確保済みまたは検討中との回答は計77%で、8割に迫った。他方で、「確保も検討もしていない」(15%)と、「わからない/答えられない」(8%)との回答は計23%で、具体的な予算化が未定の企業も2割以上存在した。
大企業の“リスキリング予算確保”の実態は? 多くがeラーニングを活用して「マーケティング分野」に注力か

約9割が「マーケティング分野」でリスキリング予算確保か。3,000万円以上も3割に

次に、先の質問でリスキリングの予算を「確保/検討中」と回答した人に「マーケティングの分野において、リスキリングの予算を確保/検討しているか」について同社が尋ねた。すると、「確保している」と「検討している」との回答が約9割を占めたという。

さらに、マーケティング分野のリスキリング予算を「確保/検討中」との回答者に「マーケティング分野に確保/検討している今年度のリスキリング予算」を尋ねると、最も多かったのは「3000万円以上」で34.8%だった。以下、「1000万円~2000万円未満」(17.4%)、「500万円~1000万円未満」、「2000万円~3000万円未満」(ともに11.6%)と続いた。
大企業の“リスキリング予算確保”の実態は? 多くがeラーニングを活用して「マーケティング分野」に注力か

マーケティング分野以外で予算を確保する分野は「DX」が最多に

また同社は、マーケティング分野のリスキリング予算を「確保/検討中」との回答者に「マーケティング分野以外に、リスキリングの予算を確保している分野」を尋ねた。すると、「DX」(63.6%)が最多となった。以下、「プログラミング」(53.2%)、「データサイエンス」(46.8%)、「AI」(42.9%)と続いた。
大企業の“リスキリング予算確保”の実態は? 多くがeラーニングを活用して「マーケティング分野」に注力か

検討中のリスキリング施策は「eラーニングサービスの活用」が最多に

次に、「来年度どのような方法でのリスキリングを検討しているか」について同社が尋ねると、「eラーニングサービスの活用」(55.8%)が最多だった。以下、「外部セミナーの受講」(54.5%)、「コーチングサービスの活用」(46.8%)と続いた。

自由回答には、「web情報を活用したグループワーク」や「海外の先進的な店舗の視察」、「スマホを活用したマーケティング学習ツールの導入」などといった声が寄せられたという。
大企業の“リスキリング予算確保”の実態は? 多くがeラーニングを活用して「マーケティング分野」に注力か

リスキリング予算を未確保の理由は「目的・ゴールが明確化できていない」が最多に

他方で、リスキリングの予算を「確保/検討していない」と回答した人に、「その理由」を尋ねた。すると、最も多かったのは「目的やゴールが明確化できていないから」で33.3%だった。その他には、「社内規程などの環境整備ができていないから」(26.7%)、「予算・人材が不足しているから」(20%)が上位にあがった。

自由回答には、「費用対効果の検討中」や、「経営状況が厳しく、リスキリングに予算を割く余裕がない」といった声が寄せられたという。
大企業の“リスキリング予算確保”の実態は? 多くがeラーニングを活用して「マーケティング分野」に注力か
本調査結果から、約8割の大企業が、来年度予算に「リスキリングの予算」を確保もしくは検討中であることがわかった。中でも、マーケティング分野においては3,000万円以上の予算を確保する企業が3割にのぼり、リスキリングでマーケティング分野の強化につなげたいとの意向がうかがえる。他方で、目的やゴールを明確化できないなど、ハードルを感じている企業もあるようだ。今後リスキリングに注力したい企業は、どのような分野において人材育成を強化していくかを明確化することが必要と言えそうだ。