7割が管理職に「なりたくない」と回答。“女性管理職の増加”には賛成派が多数も、両立支援策や66に課題か

株式会社識学は2023年2月9日、「管理職に関する調査」の結果を発表した。調査期間は2023年1月6日~11日で、全国の従業員数10名以上の企業に勤める、20歳~59歳の会社員300名(管理職:150名/非管理職:150名)から回答を得た。調査から管理職への登用希望の動向や、女性管理職増加に関する意識などが明らかとなった。

管理職に「なりたい」と思う人は1割以下にとどまる

働き方が多様化する中、ワークライフバランスなどの観点から出世を望まない人が増加傾向にあるといわれているが、実態はどうなのだろうか。識学はまず、調査時点で管理職に就いていない人に「管理職になりたいと思うか」を尋ねた。すると、「なりたいとは思わない」が72%、「条件によってはなりたいと思う」が20%、「なりたいと思う」が8%という結果だった。条件を問わず管理職を希望する人は1割を下回り、大多数が積極的には希望していない実態が明らかとなった。
7割が管理職に「なりたくない」と回答。“女性管理職の増加”には賛成派が多数も、両立支援策や66に課題か

「男女別」、「子の有無」の条件では、女性の方が管理職を希望しない傾向に

また同社は、先の回答を「男女別」および「子どもの有無」の基準で分類して示している。「男女別」では、「(管理職に)なりたいと思わない」との回答が「男性」で66.7%、「女性」で77.3%と、女性が男性よりも10.6ポイント上回った。また、「子どもの有無」でみると「男性」が67.1%、「女性」が76.3%と、こちらも女性が男性よりも9.3ポイント多かった。

さらに、「(管理職に)なりたくないと思う理由」を同社が尋ねたところ、「出世欲がないから」、「責任が伴うから」との回答がいずれも5割以上で上位を占めたという。一方で、「給与が伴わないから」は2割、「今やりたい仕事ができなくなるから」は1割以下と比較的少数だったという。この結果を受け同社は、「根本的に“出世をしたくない”という人が多いようだ」との見解を示している。
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管理職が苦労していることは「部下の指導や育成」が最多に

続いて同社は、調査時点で管理職に就いている人に「管理職の立場で苦労していることは何か」を尋ねた。すると、「部下の指導や育成」(49.3%)が最多となり、以下、「責任が重い」(39.3%)、「部下とのコミュニケーション」(36.7%)と続いた。現管理職は、責任の重さだけでなく人間関係に悩みを抱えている人が多いと推測できる。

一方で、「管理職の立場でやりがいに思うこと」についても同社が尋ねると、「やりたいことができること」、「自分が成長できる」、「チームで成果をあげること」がそれぞれ3割以上で上位にあがったという。チームとして業務を成し遂げることや、自己実現できていることなどにやりがいを感じているようだ。
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4割以上が「管理職としての権限が十分でない」と感じている

さらに同社は、管理職に就いている人に対し「管理職として、自分の役割を果たすために十分な権限があると感じるか」と尋ねた。すると、「感じる」との回答は54.7%だった。他方で、「どちらでもない」(26%)と、「感じない」(19.3%)との回答は計45.3%で、4割以上が十分な権限があると感じられていない実態が明らかとなった。
7割が管理職に「なりたくない」と回答。“女性管理職の増加”には賛成派が多数も、両立支援策や66に課題か

女性管理職の増加については「賛成派」が約6割を占める

次に同社は、「女性管理職の増加」についての社会的な関心の高まりを踏まえ、調査対象者全員に「女性管理職を増やす社会全体の動きについて」の賛否を尋ねた。すると、「賛成」が59%、「どちらとも言えない」が34.3%、「反対」は6.7%という結果となった。

これを受け同社が、賛成派・反対派それぞれに「その理由」を尋ねると、「賛成派」からは、「人材は多い方がよい」(男性/営業)や、「性別で能力が低いというような風潮が払拭できて好ましい」(女性/事務)といった声が寄せられたという。他方で、「反対派」からは、「管理職を増やす=女性活躍とは思わない」(男性/研究・開発)や、「子育てもしなさい、働きなさい、活躍しなさいという割には、結局は女性がワンオペになる」(女性/情報システム)といった声があがったという。
7割が管理職に「なりたくない」と回答。“女性管理職の増加”には賛成派が多数も、両立支援策や66に課題か

女性管理職の増加に向けては「両立支援」や「社内制度」の拡充がカギか

最後に同社は、「女性管理職を増やすために、何が必要だと思うか」と尋ねた。すると、「子育てや介護などの両立支援」(54.7%)が最多だった。以下、「女性が不利にならないような人事評価の方法」(50%)、「育休や在宅勤務などの社内制度を設ける」(43.3%)と続いた。
7割が管理職に「なりたくない」と回答。“女性管理職の増加”には賛成派が多数も、両立支援策や66に課題か
「管理職になりたくない」とする人は7割にのぼり、出世欲の低さがうかがえる結果となった。また、女性管理職を増やすことには約6割が「賛成」とするものの、ライフイベントとの両立や、評価制度などにおける課題を背景に女性の管理職希望者は少ない傾向がみられた。男女問わず、やりがいを持ちながら管理職を務めてもらうには、企業側が明確な役割の提示や権限の付与を行い、かつ柔軟な働き方を実現できる制度等を整備することが重要だろう。