カルビー、“2030年に向けた成長戦略”および2023~2025年の変革プラン「change2025」を策定。企業変革に向けた課題解決へ

カルビー株式会社は2023年2月21日、2023年に向けたカルビーグループ成長戦略および2023年~2025年度の変革プラン「change2025」を策定したことを発表した。同社は、事業環境の変化を踏まえた企業変革を重要視し、経営を取り巻くさまざまな課題に立ち向かうことで、次なる成長の変革に踏み出していく方針だ。

国内事業の成長鈍化を課題視。成長戦略の再定義・企業変革の実行を目指す

カルビーでは、海外事業が拡大する一方で、国内コア事業において量的拡大への依存から、新たな利益構造への転換がなされず、国内事業の成長に鈍化がみられることが課題となっていたという。こうした背景から、「量的成長戦略からの脱却」、「成長領域へのリソース投下不足」、「変革実行のための事業基盤や仕組み不足」などの課題解決を目指すべく、カルビーグループ全体での戦略を再定義し、同グループが持続的に成長できる企業へと変革するためのプランを策定した。

同グループが今般策定した成長戦略では、目標年を2030年に定めている。2023~2025年度を次なる成長に向けた「構造改革期」、2026~2030年度を「再成長期」と位置付け、期間内に成長領域に集中し投資を振り返ることで、収益性および成長性が両立する事業ポートフォリオへの転換を図るという。
カルビー、“2030年に向けた成長戦略”および2023~2025年の変革プラン「change2025」を策定。企業変革に向けた課題解決へ

国内コア事業・海外事業・新規領域のそれぞれに主要KPIを設定

また同グループは、2023~2025年までの「構造改革期」に実行する3ヵ年変革プラン「change2025」を策定。「国内コア事業」、「海外事業」、「新規領域:アグリビジネス」、「新規領域:食と健康」の4事業で下記の通り重点方針を定めた。

【change2025の重点方針】
<1.国内コア事業>
「2023~2025年の3ヵ年の国内営業利益成長率を+6~8%」をKPI目標に設定。ブランド強化による付加価値向上と、販売・稼働計画の最適化におる収益力を強化。

<2.海外事業>
「2025年度の海外売上高比率30~35%」をKPI目標に設定。投資の選択と集中を図り、日本ブランドの成長機会が見込める中国および北米を中心に展開拡大。現地ニーズの把握や、北米での製品ラインアップ拡大等、同グループブランドの展開を強化し、マーケティング・開発のローカライゼーションを進め、ブランド認知を拡大。

<3.新規領域:アグリビジネス>
「2025年度の新規領域売上高比率5%」をKPI目標に設定。自然素材プラットフォームの拡張に向け、原料調達や出口拡張などで基盤を強化。

<4.新規領域:食と健康>
「2025年度の新規領域売上高比率5%」をKPI目標に設定。自社開発だけに拘らず、有望なスタートアップとの連携やM&Aの機会を積極検討し、「健やかなくらし」に貢献する新たなビジネスモデルを構築。


同グループは、「change2025」を通じ、変化に対応しつつスピーディーな経営を可能とするべく、「組織・人材育成」、「サステナブル経営」、「財務戦略」の領域を進化または強化し、事業基盤および事業ポートフォリオ変革につなげていく方針だ。今後も同グループは、従業員と力を合わせて変革へと取り組み、再び成長軌道への回帰を目指していきたいとしている。
カルビー、“2030年に向けた成長戦略”および2023~2025年の変革プラン「change2025」を策定。企業変革に向けた課題解決へ
企業の持続的成長には、これまでの事業の振り返りを通じ、変化に応じた目標設定をしてくことが重要だろう。今後、課題に立ち向かうための新たな目標や成長戦略を検討したい企業は、こうした先行事例を参考にしてみてはいかがだろうか。