“プロフェッショナル人材”が人材不足解消のカギに? 8割が「業務委託」の必要性を実感し、業務委託活用が活発化する見通しも

株式会社みらいワークスは2023年1月19日、「2023年プロフェッショナル人材白書」を発表した。同白書は「企業の業務委託利用」、「業務委託人材」、「プロフェッショナル人材のキャリア」についての実態調査の結果をまとめたものだ。本記事では「企業の業務委託利用の実態調査」から、企業のプロ人材活用の動向や今後の見通しなどを紹介する。なお、本調査の調査期間は2022年3月10日~14日で、業務委託契約の決議件を持つ事業部長・経営者・役員の403名から回答を得ている。

8割以上が「プロ人材への業務委託が必要」と回答

副業やジョブ型雇用への関心が高まる中、外部から専門知識などを有するプロ人材を即戦力として取り入れる「業務委託人材活用」が今後増えていくと予測されているという。そもそも、業務委託人材の活用に必要性を感じている企業はどの程度あるのだろうか。みらいワークスはまず、「勤務先の企業では、今後プロ人材の業務委託が必要になってくると思うか」と尋ねた。すると、「非常にそう思う」(42.2%)と、「ややそう思う」(41.2%)との回答は計83.4%で、8割以上が「プロ人材の活用が必要」と認識していることがわかった。
“プロフェッショナル人材”が人材不足解消のカギに? 8割が「業務委託」の必要性を実感し、業務委託活用が活発化する見通しも

プロ人材への業務委託が選ばれる理由は「人材育成の難易度の高まり」がトップに

次に同社は、「プロ人材への業務委託が必要になる」との回答者に「その理由」を尋ねた。すると、「プロフェッショナル人材の育成の難易度が上がっているため」が52.1%で最多だった。以下、「新規事業の必要性があるため」が37.5%、「内部での事業・経営変革が難しいため」が37.2%と続いた。

自由回答では、「コア業務以外はその道のプロに任せることで、トータルコスト削減も期待できる」や「市場の動きに合わせて人材教育をしても間に合わない」、「短期間で成果を出すため」といった声が寄せられたという。
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プロ人材に求める業務は「エンジニア」が最多

続いて同社が、「プロ人材の業務委託に求める業務」を尋ねると、「エンジニア」が36.7%で最多だった。以下、「PM/システム企画開発」(28%)、「事業企画・事業開発」(21.3%)、「マーケティング」(20.8%)と続いた。さらに、自由回答では「データサイエンス」や「商品開発」、「M&A」、「PMO、業務改善、ITガバナンス」といった業務があがったという。
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自社社員に求めるスキルは「マネジメント能力」がトップに

他方で同社は、「プロ人材の業務委託と比較して、正社員に求めるスキル」についても尋ねた。すると、「マネジメント能力」が53.6%で最も多かった。以下、「責任感」(50.4%)、「コミュニケーション能力」(49.1%)、「会社の理念やビジョンに共感して行動できる」(40.4%)と続いた。
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将来的な正社員と業務委託の理想人数割合は「正社員7、業務委託3」が最多に

また同社は、「現在の正社員と業務委託の人数割合」を尋ねたところ、「正社員9、業務委託1」が4割以上で最も多かったという。

これを受けて同社は、「将来的な正社員と業務委託の理想の人数割合」についても尋ねた。すると、「正社員7、業務委託3」が20.1%で最多だった。次いで、「正社員8、業務委託2」で15.6%となった。現状よりも業務委託人材の活用が広がっていくことが予測できる結果となった。
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今後について約6割が「新卒採用よりも業務委託活用が活発化する」と回答

最後に同社は、「今後人材が流動的になるにつれ、『新卒採用』より業務委託活用の方が活発になると思うか」と尋ねた。すると、「非常にそう思う」(18.1%)と、「ややそう思う」(39.5%)の回答は計57.6%と、「業務委託の活用が活発化していく」との回答が6割に迫った。
“プロフェッショナル人材”が人材不足解消のカギに? 8割が「業務委託」の必要性を実感し、業務委託活用が活発化する見通しも
急速なIT化が進む市場において、自社社員育成の難易度が上がる中、8割以上の幹部人材が「プロ人材への業務委託の必要性」を感じていることが明らかとなった。また、「専門的な業務をプロ人材へ委託し、自社社員にはマネジメントなどのコア業務に注力してほしい」という企業の意図もうかがえる結果となった。企業力の向上を目指し、社員育成により注力していくには、プロ人材の活用も有効な手段と言えそうだ。