7割の学生が就活で「企業のパーパス」を意識。セルフパーパスや社会課題と紐付けて志望度を固めている模様

株式会社学情は2022年11月29日、2024年3月卒業・修了予定の大学生・大学院生(以下、24卒)を対象に実施した「パーパス」に関するアンケート結果を発表した。調査期間は、2022年11月12日~14日で、同社運営の「あさがくナビ2024」の訪問者370名から回答を得た。調査から、Z世代の学生の企業選びにおける「パーパス」の重視度や、その理由などが明らかとなった。

7割以上がパーパスを制定する企業は「好感が持てる」と回答

「パーパス」とは、企業の存在意義や事業目的を簡潔な文言で表現するものだ。近年、パーパスを発表する企業が増えているが、就職活動中のZ世代の学生はパーパスをどのように見ているのだろうか。学情はまず、「パーパスを制定する企業に持つ印象」を尋ねた。すると、「好感が持てる」が39.7%、「どちらかと言えば好感が持てる」が33%で、「好感が持てる」とした回答者は合計72.7%となった。同社によると、この割合は20代の転職希望者を対象にした同内容の調査結果と比較すると、9.5ポイント高くなったという。
7割の学生が就活で「企業のパーパス」を意識。セルフパーパスや社会課題と紐付けて志望度を固めている模様

6割強は「パーパスが志望度に影響する」との考え。その理由は?

次に「パーパスを知ると志望度が上がるか」と同社が尋ねた。すると、「志望度が上がる」が26.5%、「どちらかと言えば志望度が上がる」が35.4%で、「志望度が上がる」と答えたのは計61.9%となった。

そう思う理由については、「ただ単にお金を稼ぎたいわけではない」や「パーパスを通して、企業が事業を展開する目的を知りたい」、「企業が目指す方向性と、自身の関心が一致していると志望度が上がる」などの声があった。
7割の学生が就活で「企業のパーパス」を意識。セルフパーパスや社会課題と紐付けて志望度を固めている模様

6割が「企業のパーパスや社会貢献の姿勢」に注目している

続いて同社は「パーパスや、企業がどのように社会に貢献しようとしているかを、就職活動において意識するか」と尋ねた。すると、「意識する」が23.2%、「どちらかと言えば意識する」が33.8%で、パーパスを意識する人の合計は57%となった。一方で、「意識しない」は5.9%、「どちらかと言えば意識しない」は8.9%で、意識しない人は14.8%にとどまった。

フリーコメントでは、「パーパスを通して、企業が目指す方向性と自身が仕事をして提供したい価値が合致しているか確認できる」や、「企業がどのように社会に貢献しようとしているかを知れば、自身が仕事を通してどのように社会貢献できるかを想像できる」などといった意見があったようだ。
7割の学生が就活で「企業のパーパス」を意識。セルフパーパスや社会課題と紐付けて志望度を固めている模様

“学生自身のパーパス”や社会課題とも照らし合わせている

最後に、同社は「自身のパーパスや自身が解決したい社会課題を意識するか」を尋ねた。すると、「意識する」が18.4%、「どちらかといえば意識する」が26.2%と、自身のパーパスや社会課題を意識する人の合計は44.6%となった。
7割の学生が就活で「企業のパーパス」を意識。セルフパーパスや社会課題と紐付けて志望度を固めている模様
24卒に聞いた調査では、企業のパーパスを志望動機に紐付けて重視している人が多いという実態が明らかとなった。また、“自身のパーパス”や社会課題へも意識を向け、企業を見ている様子がうかがえた。企業側も、自社で定めた「パーパス」や「MVV(ミッション・ビジョン・バリュー)」が、明確な形で社内外に周知できているかをいま一度確認しておきたい。