ボーナス平均支給額は「105.1万円」で前年度よりもアップ。ボーナスの貯金・預金や使途等の実態とは

パーソルキャリア株式会社は2022年10月24日、「ボーナス平均支給額」に関する実態調査の結果を発表した。調査期間は2022年8月22日~30日で、20歳~50歳の正社員男女15,000名から回答を得た。調査からボーナス平均支給額の実態や、使い道の変化が示唆された。

夏季・冬季ともにボーナス支給額は増加傾向に

企業のボーナスというと、業績の影響を受けて支給額が変動するものだが、直近の支給額の実態はどうなのだろうか。パーソルキャリアはまず、調査対象の15,000名のうち「ボーナスがある」と回答した人の年間平均支給額を集計している。すると、2021年9月~2022年8月の1年間のボーナス平均支給額は105.1万円で、前回調査(※)よりも4.9万円の増加となった。内訳をみると、冬季平均支給額が49.6万円(前回の調査より1.1万円増)、夏季の平均支給額が50.1万円(前回調査より3.1万円増)、決算賞与などの「その他ボーナス」が平均5.4万円(前回よりも0.7万円増)となった。

※前回調査は2020年9月~2021年8月までに支給されたボーナスが対象
ボーナス平均支給額は「105.1万円」で前年度よりもアップ。ボーナスの貯金・預金や使途等の実態とは

ボーナス年間平均支給額の増加額は20代が最高値に

次に同社は、ボーナス平均支給額について、20代~50代までの年代別に前回調査との比較を示している。年間ボーナス平均支給額は20代が70.4万円で、前回調査から7.5万円の増加となった。また、30代は99.8万円で前回よりも3.6万円の増加、40代は109.7万円で前回よりも5.7万円の増加、50代は126.2万円で前回よりも2.9万円の増加となった。平均支給額が100万円を超えるのは40代、50代で、年代が上がるとともに平均支給額もアップする傾向にあるものの、前回からの増加額は20代が最も多いことがわかった。
ボーナス平均支給額は「105.1万円」で前年度よりもアップ。ボーナスの貯金・預金や使途等の実態とは

ボーナス支給額は「前回と変わらない」との回答が4割超

続いて同社は、「前回のボーナスとの比較で支給額が変化したか」を尋ねた。すると「増えた」との回答は32.5%、「減った」は23.5%、「変わらない」は44.1%だった。

同社によると前回調査では「減った」との回答が「増えた」を上回っていたものの、今回は「増えた」との回答が上回り、さらに「増えた」とした回答の割合は前回よりも10.5ポイント増加したという。一方で、「変わらない」との回答が4割以上あることから、同社は「新型コロナウイルス感染症の影響により低迷していた景気に回復兆候が見える半面、多くの人にとってボーナスへの反映が実感できない様子が見られる」と考察している。
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ボーナス平均支給額の職種別ランキング1位は「内部監査」に

また同社はボーナスの平均支給額が高い職種ランキングを示している。前回調査では「内部監査」がトップだったというが、今回も「内部監査」が189.9万円で1位だった。1位から10位のランキングは下図の通りだ。
ボーナス平均支給額は「105.1万円」で前年度よりもアップ。ボーナスの貯金・預金や使途等の実態とは

「ボーナスの5割以上を貯金・預金にまわす」との人は4割で前回よりも減少

さらに同社は、「支給されたボーナスを貯金・預金にあてた割合」を調べた。すると「25~50%未満」が17%で最も多くなった。また、「50~75%未満」が16%、「75~90%未満」が9.2%、「90%以上」が16.8%で、支給額の50%以上を貯金・預金に回したと回答した人が全体の46.6%となった。

一方、「貯金・預金はしていない」は16.1%だった。同社は「前回調査よりも貯金・預金に回した人の割合はわずかに減少し、消費活動にボーナスを使う人が増えている」と分析している。また、ボーナスの使い道をみると、前回調査では「生活費の補填」が1位だったが、今回は「旅行・レジャー」がトップとなったという。
ボーナス平均支給額は「105.1万円」で前年度よりもアップ。ボーナスの貯金・預金や使途等の実態とは
調査から、全体的にはボーナスの支給額が増加傾向にあるなど、コロナ禍で停滞していた経済が少しずつ回復傾向にあることが示唆された。今後、企業のボーナス支給実績が求職者の企業選びに際し、少なからず影響を与えると考えらえるだろう。