約9割が「反社チェック」を実施。「企業価値向上」に向けたコンプライアンス強化の取り組み実態とは

株式会社ロードマップは2022年5月26日、「企業における『反社チェック』に関する実態調査」の結果を発表した。調査は2022年5月12日に実施され、上場を目指す企業の経営者および役員計108名から回答を得た。調査結果から、企業の反社会勢力のチェックの実施状況や、コンプライアンス強化に向けた取り組み姿勢などが明らかとなった。

約9割が「反社チェック」を行っていることが明らかに

企業の社会的責任(CSR)を果たし、経営のステークホルダーからの信用を高めることは、企業価値の向上のために欠かせない。では、今後上場を目指す企業は、コンプライアンス体制の強化にどう取り組んでいるのだろうか。

同社はまず、「自社において『反社(反社会勢力)チェック』を行っているか」を尋ねた。すると「毎回行っている」が56.4%、「一部行っている」が30.6%で、合わせて87%となった。一方、「一切行っていない」が9.3%、「わからない・答えられない」が3.7%だった。
約9割が「反社チェック」を実施。「企業価値向上」に向けたコンプライアンス強化の取り組み実態とは

7割超の企業が「新規取引前」の反社チェックを実施

次に、先述で「行っている」と回答した人に、「どのようなタイミングで『反社チェック』を行っているか」を尋ねた。その結果、「新規取引前」が71.3%で最多となり、以下、「取引継続・契約更新時」が56.4%、「従業員の採用前」が54.3%、「役員就任前」が31.9%、「資金調達前」が30.9%と続いた。新たな契約を締結する前や契約更新時、従業員の採用などに、相手先の企業や採用予定の従業員に対して反社チェックが行われていることがわかった。
約9割が「反社チェック」を実施。「企業価値向上」に向けたコンプライアンス強化の取り組み実態とは

「反社チェック」を行う主な手段は「インターネット検索」

続いて、「どのような方法で『反社チェック』を行っているか」を尋ねた。すると、最多回答は「インターネットによる検索」で55.3%となり、半数を占めた。以下、「新聞・Web記事の検索」が45.7%、「契約で反社条項を定める」が44.7%、「業界団体や同業他社への風評調査」が41.5%、「行政機関への照会」が38.3%、「専門機関での調査」が35.1%と続いた。
約9割が「反社チェック」を実施。「企業価値向上」に向けたコンプライアンス強化の取り組み実態とは

上場を目指す経営層の約9割が「反社チェックを強化する」重要性を認識

次に、「今後上場を目指す上で『反社チェック』の強化が重要だと思うか」を聞くと、「非常にそう思う」が63.8%、「ややそう思う」が22.2%となり、合計86%だった。9割近い経営層が、上場に向けて「コンプライアンス体制の強化が重要である」との考えを持っていた。
約9割が「反社チェック」を実施。「企業価値向上」に向けたコンプライアンス強化の取り組み実態とは

「反社チェック」を重視する理由は、「企業の存続」や「従業員の安心」のため

最後に、「なぜ反社チェックを強化していくことが重要だと思うか」を尋ねた。その結果、最も多かったのは「企業の存続に関わるから」で77.4%が回答。以下、「従業員が安心して働ける職場づくりにつながるから」が53.8%、「企業のコンプライアンス強化が叫ばれているから」が52.7%、「株主からの評価に関わると思うから」が39.8%、「上場審査時に見られると思うから」が33.3%となった。

また、自由回答では、「企業として当然のことと考えている」や「企業イメージ、ブランドを落としたくないため」、「クリーンな企業であり続けたいから」、「自社の信用と継続のため」などの意見が寄せられた。
約9割が「反社チェック」を実施。「企業価値向上」に向けたコンプライアンス強化の取り組み実態とは
本調査では、多くの経営者および役員が、上場に向け「反社会勢力との付き合いを排除する取り組み」の重要性を理解し、具体的に実行していることが明らかとなった。健全な経営を維持していくためにも、引き続きコンプライアンス強化に努めていきたい。