「女性管理職になってよかった」と思う人は6割に迫る。女性活躍推進のために整備すべき制度や有効な施策とは

パーソルキャリア株式会社は2022年5月23日、「女性管理職の意識調査」の結果を発表した。調査期間は2022年3月18~22日で、20~50代の女性管理職151名から回答を得ている。調査結果から、女性が管理職を承諾する際の悩みなどが明らかになるとともに、「女性活躍推進」において求められる課題などが浮き彫りになった。

「管理職になってよかった」と感じる女性管理職は約6割に

2022年4月の女性活躍推進法改正では、女性管理職登用比率などの公表義務対象が拡大された。女性管理職の比率アップに取り組む企業も多い中、実際に管理職になった女性はどのような思いを持っているのだろうか。

パーソルキャリアはまず、「実際に『管理職になってよかった』と思うか」を尋ねている。すると、「そう思う」が23.2%、「まあそう思う」が33.8%で、合計が57%と6割に迫った。
「女性管理職になってよかった」と思う人は6割に迫る。女性活躍推進のために整備すべき制度や有効な施策とは

管理職になってよかったことは「自身の成長につながった」が最多

続いて、同社は「管理職になってよかったと思うこと」を尋ねている。すると、「自身の成長に繋がった」が36%で最も多く、以下、「自分の裁量でできる仕事が増えた」が32.6%、「給与が上がった」が31.4%などと続いた。
「女性管理職になってよかった」と思う人は6割に迫る。女性活躍推進のために整備すべき制度や有効な施策とは

6割超が管理職受諾前に不安や悩みを抱えていたことが明らかに

また、「管理職のオファーを受諾する前に、不安や悩みがあったか」を尋ねた質問では、「あった」が32.4%、「ややあった」が30.5%となり、「不安や悩みがあった」とする人の合計は62.9%と6割を超えた。
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管理職になる上での不安は「部下の育成」、「自身のストレスマネジメント」がトップ

続いて、同社は「不安や悩みがあった」と回答した人に、「どのようなことに不安を抱き、悩んでいたか」を尋ねている。すると、「部下の育成」、「自身のストレスマネジメント」がともに41.1%で1位となった。以下、上位の回答としては、「成果を出すための組織運営」、「業務責任増加に伴うプレッシャー」、「業務量増加」の3項目が33.7%、「家庭やプライベートとの両立」、「新たな業務や目標遂行スキル」の2項目が30.5%となった。
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管理職を受諾する決め手は「上司の勧め」が最多

「管理職になると決めた際に後押ししたもの」について聞くと、「上司の勧め」が23.8%で最も多かった。以下、「給与額など待遇面の充実」が22.5%、「会社からの期待」が17.2%などと続いた。同社は、「上司や会社からの言葉が自信につながり、背中を押すきっかけになる」と推察している。
「女性管理職になってよかった」と思う人は6割に迫る。女性活躍推進のために整備すべき制度や有効な施策とは

「公平な評価制度」を求める人が多数か

最後に同社は、「管理職になると決めたとき、あったらよかったもの」について尋ねている。すると、「公平な評価制度」が27.2%で最多となり、「評価が公平でない」と感じている女性が一定数いることがうかがえる。

また、「多様なロールモデルの存在」(19.2%)、「相談できる人・機会の提供」(17.9%)、「キャリアに関わるサポート制度」(16.6%)など、ロールモデルの存在や、管理職となった後の支援制度を求める声もあることがわかった。
「女性管理職になってよかった」と思う人は6割に迫る。女性活躍推進のために整備すべき制度や有効な施策とは
本調査から、管理職を受諾するにあたってさまざまな不安や悩みを抱えている女性が多い一方で、「管理職になってよかった」と感じる女性も過半数いることがわかった。企業における女性活躍推進のためには、男女の性差に関係のない「公平な評価制度」の導入や、職場のサポート体制などが求められるだろう。