5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度

株式会社月刊総務は2022年5月17日、「ウェルビーイングに関する調査」の結果を発表した。調査は2022年4月18日~25日に実施され 、同社が運営する媒体の読者および登録者、計110名から回答を得た。調査結果から、企業がウェルビーイングに取り組む目的および施策の実施状況のほか、ウェルビーイングを推進していない企業の実態も明らかとなった。

5割超の企業が「ウェルビーイング」の推進に取り組んでいる

働き方の意識が多様化する中で、近年、企業が「社員のウェルビーイング」を支援する動きが広がっている。では、実際に取り組んでいる企業はどれだけあるのだろうか。

調査では、まず「自社でウェルビーイングに取り組んでいるか」を同社が尋ねた。その結果、「とても取り組んでいる」が10%、「やや取り組んでいる」が41.8%、「全く取り組んでいない」が48.2%となった。
5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度

注力する分野は「フィジカルウェルビーイング」が最多に

続いて、先述の「ウェルビーイングに取り組んでいる」と回答した人を対象に、ウェルビーイングの5つの分野における、それぞれの取組み度合いを尋ねた。上位は、「フィジカルウェルビーイング(身体的な幸福)」の68.4%と「キャリアウェルビーイング(キャリアに対する幸福)」の63.2%となり、共に6割以上と過半数が回答。以下、「ソーシャルウェルビーイング(人間関係に対する幸福)」(43.9%)、「コミュニティウェルビーイング(コミュニティに関する幸福)」(38.6%)、「フィナンシャルウェルビーイング(経済的幸福)」(22.8%)と続いた。
5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度

法定の健康施策のほかに「ワーク・ライフ・バランスの推進」も上位に

また、「ウェルビーイングで取り組んでいる施策内容」を尋ねた結果では、「健康診断」が84.2%で最も多い回答を得た。そのほか半数以上が回答したものを紹介すると、「ワーク・ライフ・バランス推進」(77.2%)、「ストレスチェック」(75.4%)、「産休・育休の推進」(57.9%)、「1on1」(52.6%)となった。さらに、独自性のある取り組みとして、「月次コンディショニングアンケートの実施」や、「健康士の常駐」、「社内ジム&スタジオの設置」、「昼寝スペースの設置」、「15時のストレッチタイム」などが挙げられたという。
5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度

ウェルビーイングに取り組む目的は「生産性の向上」が最多

さらに、「ウェルビーイングに取り組む理由」を尋ねると、トップは「生産性を向上させるため」となり、71.9%が回答。以下、「離職率を低下させるため」が47.4%、「SDGsやサステナビリティ推進のため」が45.6%、「採用力を向上させるため」が38.6%となった。
5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度

「経営陣の理解が得られない」などの理由で実施しない企業も

一方、ウェルビーイングに取り組んでいない企業にその理由を聞くと、「何をすればよいかわからないから」が54.7%で最多となった。次点は、「経営陣の理解がないから」で50.9%だった。
5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度

ウェルビーイングを測定するアセスメントを実施しているのは2割程度

最後に、同社は「社員のウェルビーイングを測定するアセスメントを実施しているか」を尋ねた。その結果は、「はい」が23.6%、「いいえ」が76.4%となり、アセスメントを実施する企業は約2割ということが明らかとなった。
5割が「社内向けウェルビーイング施策」を行うも、社員の状態測定ができている企業は2割程度
本調査の結果から、半数の企業がウェルビーイングに取り組み、社員のウェルビーイング推進には一定の理解があることがうかがえた。一方で、「何から取り組んでいいのかわからない」という企業もまだ多いようだ。最初の一歩として、法定の健康診断をベースに社員の健康リテラシーを高めるなど、今行っていることから発展させる施策を検討してみてはいかがだろうか。