若手が役職者に助言・指導する「リバース・メンター制度」をソーシャルワイヤーが導入。“逆の発想”でコミュニケーション促進へ

ソーシャルワイヤー株式会社は2022年5月13日、若手社員が役職者に対して助言や指導を行う「リバース・メンター制度」を、同月より導入したと発表した。本制度は、同社が既に導入している通常の「メンター制度」に加えて行う形となる。本制度を活用し、職場内でのパワハラ防止や、コミュニケーションの活性化を図る狙いだという。

若手から役職者への助言・指導で「パワハラ防止」や「コミュニケーション促進」を図る

2020年6月に大手企業を対象に施行された「パワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)」の適用範囲が、2022年4月より中小企業にも広がった。これにより、企業内のパワハラ防止策などに注目が高まっている。加えて、近年の新型コロナウイルス感染症拡大による「社内コミュニケーション」の減少といった課題も浮き彫りになっている状況だ。

ソーシャルワイヤーもまた、コロナ禍での職場内の「コミュニケーション機会の減少」や、「パワハラ防止対策」に課題を感じていたという。そこで、社内コミュニケーションの活性化を図り、若手だからこそ持ち得る知識および価値観を、上司・先輩に伝えることを目的とした制度導入に踏み切ったという。

今回導入した「リバース・メンター制度」とは、通常のメンター制度とは反対に、若手社員が上司・先輩に知識共有などを行う取り組みだ。同社はまず、取締役も含めた各部門の責任的立場にある事業部長以上の役職者各人に対し、新入社員をはじめとした25歳以下の若手社員をメンターとして任命。2022年5~10月の6ヵ月間で月1回、1対1の面談を実施するという。また、「メンティー(役職者)が何かを教えることを禁止する」というルールも導入している。

同社は本制度の導入により、3つの効果を期待しているという。1つは、役員・管理職が、若手の持つ「最先端の知識や次世代の価値観」を学ぶ機会を得て、知見のアップデートを行うことだ。2つ目は、若手社員と上司間における気兼ねないコミュニケーションの機会づくりを通じて、開かれた社風を創造すること。3つ目は、本制度によって若手社員が「自身の知識・経験が役立つ」ことを実感することで、モチベーションアップやエンゲージメント向上につなげ、離職率低下などの副次的効果を生むことだという。

ソーシャルワイヤーが新たに導入する「リバース・メンター制度」は、パワハラ防止やコロナ禍におけるコミュニケーション課題に対する施策として、注目すべき取り組みの一つと言えそうだ。同じ課題を抱える企業も、検討してみてはいかがだろうか。