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「パワハラ」と「指導」の境目は曖昧だとマネジメント層の6割が認識。龍谷大心理学の専門家が「上司・部下間のギャップ」を考察

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上司側の3人中2人は「仕事は見て盗むもの」と答える

また、「仕事は見て盗むものだと感じるか」と尋ねた質問では、上司側は「とても感じている」と「やや感じている」の合計が66.6%になった。一方、部下側は同合計が55.6%となり、上司側より11ポイント割合を下げた。

この結果について、同大学心理学部の水口教授は「上司の期待値に対し、部下の行動が伴わない事に苛立ち、その打開策を『厳しい指導』に向けてしまっていないか」という懸念を示し、解決策として「“部下がなぜ期待する行動を取らないのか”という根本に目を向けアプローチを変えることで行動が変わるかもしれない」と考察した。
上司側の3人中2人は「仕事は見て盗むもの」と答える

「部下が求める上司像」と「関係性を構築するカギ」に迫る

次に、部下側のみを対象に「上司に求めるタイプ」を尋ねた。すると「仕事ができて、頼もしい」(85.8%)、「冷静で筋の通っている判断をする」(84.2%)、「自分のことを認め、褒めてくれる」(56.8%)が上位の回答となった。

一方で、「上司に求めないタイプ」については、多かった順に「人の意見を聞かず、自分の意見を押し通す」(74.6%)、「責任をとらない」(72.2%)、「仕事上でのマウントを取ってくる」(68%)という結果になった。
「部下が求める上司像」と「関係性を構築するカギ」に迫る

部下は「信頼」、「関心」、「存在意義」を示す褒め言葉を求める傾向に

また、部下側に「上司からあなたが言われて嬉しい褒め言葉」を尋ねた。その結果、「信頼して任せられるよ」が60%で1位、次いで「〇〇さんがいてくれてよかった」が30.8%で2位、「一緒に仕事ができてうれしい」が20.6%で3位、以下、「機転の利いた気配りができるね」(16%)、「助かりました」(15.6%)などと続いた。

上記を選んだ理由を尋ねると、「評価が正当にされていると感じる」や、「自分を必要とされている感じがするから」、「自分を肯定してくれている」などの声が聞かれた。

この結果について、水口教授からは「上位にランクした言葉には、部下への『感謝・関心・存在意義』を感じられる言葉が並んでおり、上司は言葉に固執するのではなく、その時にあった言葉のバリエーションや感情の表現など、『褒めることの本質を知る』ことが求められているのではないか」という考察が示された。
部下は「信頼」、「関心」、「存在意義」を示す褒め言葉を求める傾向に

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