Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

株式会社RASHISAは2022年3月28日、Z世代におけるダイバーシティ&インクルージョン(以下、D&I)に対する意識を知るべく実施した、「Z世代のD&Iと働き方に対する意識調査」の結果を発表した。調査期間は2022年2月28日~3月6日で、18~24歳のZ世代の学生149名から回答を得ている。調査結果では、Z世代の多様性に対する考え方や、働く上での価値観が明らかになった。

多様性・マイノリティへの関心は「LGBTQなどの性的マイノリティ」が1位

Z世代と呼ばれる若い世代は、多様性やマイノリティをどの程度認知し、関心を持っているのだろうか。

同社は、まず「D&Iの認知度」を尋ねている。すると、「知っている」と回答した人は全体の29.3%と3割に迫り、多様性やマイノリティに対する認知度の広がりがうかがえる結果となった。

具体的に、どのカテゴリのキーワードに関心があるかを尋ねた結果では、1位が「LGBTQなどの性的マイノリティ」で77.7%、2位が「発達障がい」で44.7%、3位が「精神障がい」で38%と続いた。また、近年関心が集まっている「ヤングケアラー、介護経験者」と回答したのは、33.3%と3人に1人を占めた。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

約4割が「身近にLGBTQなどの性的マイノリティ」がいると回答

さらに同社は、先述の「D&Iに関連する言葉で、自分や身近にあてはまるものがあるか」を尋ねると、37.3%の人が「LGBTQなどの性的マイノリティ」を挙げた。以降は、「発達障がい」が35.3%、「女性・フェミニズム、知的障がい」が26%、「精神障がい」が25.3%と続いた。
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D&Iに関する情報元はSNSを中心としたWebコンテンツか

次に、「多様性やマイノリティについての情報を得る情報源」について尋ねた問いでは、「Twitter」が最も多く58%、以下、「Instagram」が41.3%、「Webメディア」が39.3%となり、SNSやWebメディアが上位にあがった。デジタルネイティブ世代でもある彼らは、SNSを中心にD&Iの情報を得る機会が多いことが明らかになった。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

Z世代の職場選びは「多様性が認められるフラットな社風」を重視する傾向に

同社は次に、「職業や会社の選択において重視したいこと」を尋ねている。トップ3は、「やりがいがある」(69.3%)、「成長できる環境」(66.7%)、「フラットで風通しのいい社風」(54.7%)となり、これらに続いて、「多様な働き方、マイノリティ性が認められる」が52.7%で4位となった。Z世代は職業・会社選択において“D&Iに配慮がある環境か”を重視する傾向にあることがうかがえる。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

自身のマイノリティ性と働き方に不安を感じる人が2割

同社が、「自身のマイノリティ性と働き方について不安があるか」を問うと、「とてもある」と「ややある」の合計は20.7%となった。

自由回答では「自身も身体障がいと適応障がいを抱え、どうしていくべきか悩んでいる」、「自身の障がいについて、企業などの雇い手に正確に伝わるかが不安」、「女性というだけで下に見られそう」などのコメントが寄せられた。このことから、“社会に出たときに、自身がどう受け取られるか”という不安を感じていることがわかる。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

D&Iに積極的な企業で働きたい人が9割超え

同社が「D&Iに積極的な企業をどう感じるか」を尋ねた質問では、「働きたいと思う」、「好感を持てる」と回答した人が94.6%にのぼり、大多数がポジティブな印象を抱いていた。D&Iに取り組む企業を支持する人の意見には、「時代に沿って柔軟に変化していると思う」、「さまざまな価値観を持つ人との交流で、新たな発見や成長につながる」、「寛容な会社であることが魅力的」などがあった。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

D&Iに消極的な企業には「好感が持てない」人が半数に

「D&Iに消極的な企業についてどう感じるか」を尋ねた質問では、最も多い回答が「特に気にならない」の40%、以下、「好感を持てない」が37.3%、「働きたくないと思う」が17.3%となった。「好感を持てない」と「働きたくない」人の合計は54.6%と過半数を占めた。

「特に気にならない」と回答した人の意見では、「日本の企業のほとんどが多様性を認めることを躊躇しているから」や「時々多様性を押し付ける風潮に疑問を持つことがある」などが出たという。他方で、「支持しない」と回答した人からの意見では、「D&Iに消極的なのは時代遅れ」、「固定的な考えの押しつけを強いられそう」、「自分の成長や考え方などの幅を狭めることになりかねない」などがあったという。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に

年収が50万円下がっても、D&Iへの取り組みを重視し職場選択を行う傾向

最後に、同社は「年収が300万でD&Iに積極的な企業と、年収が350万でD&Iに消極的な企業、どちらで働きたいか」を尋ねている。すると、「年収が低くてもD&Iへの積極性を重視する企業」を選択する人が68.7%となり、「D&Iに消極的な企業」の23.3%を45.4ポイント上回る結果が得られた。

D&Iに積極的な企業を選択した人からは、「将来性を感じる」、「働き続けたいと思える可能性が高い」、「多様性が溢れることで刺激し合えると思う」などポジティブな意見が寄せられた。
Z世代の5割は「ダイバーシティ&インクルージョンに配慮があるか」を重視。フラットな社風に魅力を感じる傾向に
Z世代は、企業選択の際に「D&Iへの取り組みをしているか」を重視していた。これを受け、企業側も、自社の施策や制度が「多様性やマイノリティに配慮できているか」を、今一度確認しておく必要があるだろう。