2022年4月の「女性活躍推進法改正」を目前にした“女性の働きやすさ”の実態とは。課題は「男女の認識差」や「環境整備」

株式会社ライボ(以下ライボ)は2022年3月7日、「働く女性実態調査」の結果を発表した。調査期間は2022年2月21日~28日で、社会人の男女614名から回答を得ている。同社の調査を通して、職場のジェンダーレスに対する取り組みの進捗状況や、女性が男性に比べ不利を感じる理由に差があることなどが明らかになった。

「働き方の満足度」や「働きやすい環境整備」の面で男女の温度差が顕著に

女性が活躍する社会の実現を目指した「女性活躍推進法」の適用範囲が2022年4月以降拡大するが、“女性の働きやすさ”は以前よりも向上しているのだろうか。

まずライボは、男女別に「働き方の満足度」について質問している。すると、全体の59.2%が「満足」(「とても満足」と「やや満足」の合計)と回答しているが、性別ごとでは回答に差がみられる結果となった。

男性では、「とても満足している」が28.8%、「やや満足している」が36.1%だった一方、女性は「とても満足している」が14.8%、「やや満足している」が38.3%となり、合算すると男性を11.8ポイント下回った。特に「とても満足している」の回答は、男女間の差が14ポイントとなり、「働き方の満足度」における男女間での温度差が明らかになった。
2022年4月の「女性活躍推進法改正」を目前にした“女性の働きやすさ”の実態とは。課題は「男女の認識差」や「環境整備」
また、「女性が働きやすい環境整備の有無」についての質問では、全体では「整っている」が32.1%、「どちらかといえば整っている」が44.5%という結果となった。一方で、男女別の結果を見ると、「整っている」と回答した男性が42.4%だったのに対し、女性は21.1%にとどまり、「働きやすい環境に対する意識」に顕著な差があることもうかがえる結果となっている。
2022年4月の「女性活躍推進法改正」を目前にした“女性の働きやすさ”の実態とは。課題は「男女の認識差」や「環境整備」

職場で「不利」と感じる女性が多数。“女性のキャリア支援”の課題とは

同社は、現在の職場で「不利だと感じた経験の有無」についても質問している。すると、「ある」と回答した男性が19.3%だったのに対し、女性は40.3%となり、男女間で2倍以上の差が生じる結果になった。
2022年4月の「女性活躍推進法改正」を目前にした“女性の働きやすさ”の実態とは。課題は「男女の認識差」や「環境整備」
また、「不利だと感じる理由」についての女性の回答では、「キャリアビジョンが描きにくい」が29.2%で1位、「出世が難しい」が28.9%で2位、「給与・待遇に差を感じる」が25.5%で3位となっている。

女性はライフステージの変化により、職場での働き方を変えざるを得ない場面に遭遇することがある。本調査から、女性においては「ライフステージの変化に応じたキャリア構築」に大きな課題があることが浮き彫りになったと言えるだろう。
2022年4月の「女性活躍推進法改正」を目前にした“女性の働きやすさ”の実態とは。課題は「男女の認識差」や「環境整備」

「出世願望」にも男女間の差が。“不利”な職場環境が影響か

同調査では「出世願望の有無」についても尋ねている。この質問に対する、「とてもある」との回答を男女別にみると、男性が36.4%であるのに対し、女性は22.1%にとどまり、「出世願望」についても男女差があることがうかがえる結果となった。先の質問で、「キャリアビジョンが描きにくい」と感じる女性が多いことが、出世願望にも影響を及ぼしていると考えられる。
2022年4月の「女性活躍推進法改正」を目前にした“女性の働きやすさ”の実態とは。課題は「男女の認識差」や「環境整備」
「女性活躍推進」が課題となっている昨今、職場の「ジェンダーレス」への取り組みの浸透度や満足度に、まだまだ課題が多いことがうかがえる調査結果となった。企業側には、こうした男女間の認識の差を埋める取り組みの実施や、男女ともに働きやすい環境の整備が求められるだろう。