4割超の法人営業職が自社の営業スタイルを「属人的」と感じている。半数以上は「セールスイネーブルメント」を知らないと回答

株式会社イノベーション(以下、イノベーション)は2021年12月22日、傘下の株式会社Innovation & Co.が運営するセールスイネーブルメントツールを通じて実施した、「セールスイネーブルメントに関する調査」の結果を発表した。調査期間は2021年11月17日~18日で、全国の法人営業を担当するビジネスパーソン531名から回答を得た。これにより、法人営業職が課題に感じていることや、望んでいる職場環境などが明らかとなった。

属人的な「勘や経験」、「気合と根性」に頼る営業スタイルの職場が4割以上

ビジネスのオンライン化、また働き方の多様化が進み、営業職においても今までとは異なる働き方が求められている。より戦略的な営業スタイルの確立のためには、どのようなことが課題となるのだろうか。

はじめにイノベーションは、「あなたの職場の営業スタイルは、属人的な勘や経験、または、足で稼ぐという気合と根性に頼るものだと感じるか」と尋ねている。すると、「はい」が42%、「いいえ」が58%という結果だった。
4割超の法人営業職が自社の営業スタイルを「属人的」と感じている。半数以上は「セールスイネーブルメント」を知らないと回答
また、「属人的な勘や経験、足で稼ぐ気合と根性の営業スタイルの職場で働きたいか」という質問に対しては、「働きたいと思わない」が33.7%、「どちらかと言えば働きたいと思わない」が29.9%となり、「働きたいと思わない」という回答が合わせて63.6%に上った。
4割超の法人営業職が自社の営業スタイルを「属人的」と感じている。半数以上は「セールスイネーブルメント」を知らないと回答

チームで成果を上げる営業スタイルを望む声も

同社は続けて、「どのような職場で働きたいか」と尋ねている。その結果、最も多かった回答は「営業成果の上がるノウハウやスキルを共有し合い、高め合える職場」で、全体の38.2%となった。以下、「営業戦略や戦術があり、必要な情報やスキルが提供される職場」(34.8%)、「営業担当者ごとの強みを活かした人員配置ができる職場」(31.6%)などと続いた。ナレッジを共有でき、チームで連携して成果を出せる職場で働きたいというニーズが高い傾向にあるようだ。
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4分の1が「セールスイネーブルメント」を理解していると回答

次に同社は、営業組織を戦略的に強化するさまざまな取り組みの総称である「セールスイネーブルメント」という言葉を知っているか尋ねた。すると「意味を理解している」は27.3%、「意味は知らないが聞いたことはある」が21.7%と、合わせて49%の回答者は「セールスイネーブルメント」という言葉を認知していることがわかった。
4割超の法人営業職が自社の営業スタイルを「属人的」と感じている。半数以上は「セールスイネーブルメント」を知らないと回答
さらに同社は、「セールスイネーブルメントという言葉を知っている」とした回答者260名に「セールスイネーブルメントに取り組んでいるか」を尋ねている。その結果、42.3%が「取り組んでいる」と回答した。また、37.6%が「取り組みを検討している」としたことから、今後、セールスイネーブルメントに取り組む企業は、さらに増えることが予測される。
4割超の法人営業職が自社の営業スタイルを「属人的」と感じている。半数以上は「セールスイネーブルメント」を知らないと回答

「セールスイネーブルメント」の取り組みへのハードルは「知識・ノウハウがない」、「時間・人員の不足」が多数

加えて、「セールスイネーブルメント」という言葉を知っている回答者へ「セールスイネーブルメントの取り組みにおけるハードルや困っていること」を尋ねると、「知識やノウハウがない」と「時間や人員が不足している」がともに42.3%で最も多くなった。「セールスイネーブルメント」に取り組む上で、インプットや人材の確保を課題に感じている企業が一定数あるようだ。
4割超の法人営業職が自社の営業スタイルを「属人的」と感じている。半数以上は「セールスイネーブルメント」を知らないと回答
本調査では、勘や経験、また「気合や根性」に基づく、不確かともいえる営業スタイルを実践している企業が多い結果となった。加えて、そんな従来の営業スタイルに課題や限界を感じ、新たな方法を模索する動きもうかがえた。働き方が多様化している今、営業活動の仕組みにおいても、ツールを導入するなど戦略的に強化していく企業が増えそうだ。