「給与減額」の条件下でもテレワークを希望する20代は約2割。若手はテレワークより給与を重視する傾向

株式会社学情は2021年12月3日、20代の仕事観や転職意識をひも解くために行なった「テレワークと給与」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2021年10月25日~11月17日で、同社が運営する20代専門の転職サイトへの来訪者189名から回答を得た。これにより、20代の若手世代がテレワークと給与についてどのように考えているのかが、明らかとなった。

「給与減額」でもテレワーク制度を利用したい20代は2割にとどまる

米Googleが、テレワーク制度を利用する社員の給与を最大25%削減する方針であると発表し、注目を集めている。日本の若手世代は、テレワークと給与についてどのように考えているのだろうか。

まず、学情は「給与が最大25%などの幅で減額される場合も、テレワーク制度を利用したいか」と尋ねている。その結果、「利用したい」(9%)または「どちらかと言えば利用したい」(13.2%)と回答した20代は、合わせて22.2%にとどまった。同社が本調査と同時に実施した「テレワークに関する調査」によれば、「(給与が減額されるという条件がない場合)テレワークの制度があれば利用したい」と回答した20代は83%だったというが、「給与減額」の条件下では、テレワーク制度の利用を希望する回答は約4分の1に減少している。

「給与が減額される場合はテレワークを希望しない」とした回答者のフリーコメントには、「同じ仕事であれば、出社かテレワークかで給与差があると、モチベーションに影響しそう」や、「テレワークでは光熱費などがかかる。自宅で仕事をすることによる出費も考慮して欲しい」、「地方でも、家賃以外の物価は大きく変わらない。給与減になると生活が厳しくなる」などの声が寄せられた。一方、「給与が減額されてもテレワークを希望する」と回答した20代からは、「通勤時間が無くなれば、自由に使える時間は増えると思う」、「副業ができれば、浮いた時間でも収入を得られる」、「出社しなければ、昼食代や外出によって生じる出費は抑えられる」などの声が寄せられている。
「給与減額」の条件下でもテレワークを希望する20代は約2割。若手はテレワークより給与を重視する傾向

「テレワークか給与か」なら、「給与」を重視する傾向に

また、「『月収27万円で出社勤務』と『月収20万2,500円(出社の場合の25%減)でテレワーク勤務』を選択できる場合、どちらを選ぶか」との質問に対しては、「月収27万円で出社勤務」が24.3%、「どちらかと言えば月収27万円で出社勤務」が42.4%で、合わせて66.7%が「月収27万円で出社勤務」を希望する結果となった。一方、「月収20万2,500円でテレワーク勤務」は11.6%、「どちらかと言えば月収20万2,500円でテレワーク」は21.7%で、合わせて33.3%に。テレワークを希望する回答が、出社を希望する回答の約半数となったことから、20代はテレワークよりも給与を重視する傾向があることが分かる。

自由回答からは、「業務量や業務内容は変わらないのに、給与だけが異なるのであれば出社したい」や、「通勤時間がないのはメリットではあるが、給与が減額されるのはデメリット」などといった声が寄せられている。
「給与減額」の条件下でもテレワークを希望する20代は約2割。若手はテレワークより給与を重視する傾向

「出社」と「テレワーク」において、許容できる給与差は「1万円以内」が最多

さらに同社が、「出社とテレワークで給与が異なる場合、許容できる給与差」について尋ねると、最多回答は「1万円以内」(39.7%)だった。以下、「3万円以内」が23.3%、「5,000円以内」が21.2%と続いた。これら「3万円以下」の回答が合計84.2%となり、そのうち「1万円以下」の回答が60.9%を占める結果だ。

回答者からは、「同じ仕事なら、給与差は最低限に抑えたい」、「テレワークにはテレワークの大変さがある。大きく差はつけて欲しくない」といった声があがっている。出社かテレワークかで給与が異なる場合も、「給与差はなるべく低く抑えたい」という意向がうかがえる。
「給与減額」の条件下でもテレワークを希望する20代は約2割。若手はテレワークより給与を重視する傾向
本調査の結果から、20代は「テレワーク」より「給与」を重視する傾向にあることがわかった。テレワーク制度の導入には、多様な人材の雇用・活用といったメリットが期待できるものの、テレワークの利用に「給与減額」の条件を設ける場合、若手社員の利用希望者が大幅に減ることも想定しておく必要がありそうだ。