凸版印刷、東京都共同事業として「使用済み紙おむつのリサイクル事業」に関する実証実験を開始

凸版印刷株式会社(以下、凸版印刷)は2021年11月12日、住友重機械エンバイロメント株式会社(以下、住友重機械エンバイロメント)、トータルケア・システム株式会社(以下、トータルケア・システム)の3社共同で実施している「完結型マテリアルリサイクルシステム」の事業化に向けた検証が、東京都共同事業「家庭用紙おむつの効果的回収と完結型リサイクル事業」に採択されたと発表した。この検証で、「紙おむつの回収」から「再生された製品の再利用」までの事業性を検証していくという。なお、今回の実証実験では、白井グループ株式会社(以下、白井グループ)が持つAI配車システムを活用している。

使用済みおむつの効果的な回収とリサイクルを通じて、環境に配慮した製品サイクルを目指す

昨今はさまざまな分野で、環境に配慮した、持続可能な事業活動の重要性が増している。このような中、凸版印刷は住友重機械エンバイロメント、トータルケア・システムと共同で、一般家庭から出た使用済み紙おむつを分別回収し、紙おむつに使用されているパルプとプラスチックを「再生原料」としてリサイクルする「完結型マテリアルリサイクルシステム」の事業性の検証に取り組んでいる。今回、本検証が東京都に採択されたことを受け、2021年11月より、八王子市と町田市で実証実験をスタートした。

本実証実験において、凸版印刷は、実証実験の主体事業者となり、全体のマネジメントや再生資源を最適にアップサイクルするためのプロセスコントロール、用途開発、販売を担う。住友重機械エンバイロメントは、水溶化処理設備のプラント設計および施工を、またトータルケア・システムは、使用済紙おむつのリサイクル技術・ノウハウ提供を実施していくという。同時に、分別回収のルート設定として、白井グループの持つAIを活用した「回収ルートの検証」も実施する。さらに、「広域回収をした場合の試算」と、紙おむつのリサイクルを行う際に発生する「排水の処理」についても検証を行う予定だ。

リサイクル処理後の再生パルプは、建築資材の原料(外壁材、内装材等)として活用し、プラスチック材料は紙おむつの回収袋や回収箱としての再利用を見込んでいる。2022年3月には、社会に有益な材料として、資源循環することを計画しているという。
凸版印刷、東京都共同事業として「使用済み紙おむつのリサイクル事業」に関する実証実験を開始
ゴミとして捨てられてしまうものの中には、リサイクルを通じて繰り返し利用できる資源になるものも多い。サステナブルな社会システムが求められるなか、企業それぞれの知見や技術を合わせることで、環境に配慮した事業が増えていくことを期待したい。