経産省が「出向起業」に6社のスタートアップを採択。2021年度出向起業等創出支援事業で新規事業創設を促進へ

経済産業省(以下、経産省)は2021年11月12日、大企業人材等が“所属企業に籍を置きながら、自らスタートアップ起業に取り組む「出向起業」”の支援事業において、新たに創設された6社のスタートアップへの支援を決定したと発表した。本支援事業は「大企業人材等新規事業創造支援事業費補助金(出向起業等創出支援事業)」により、活動費用の一部を補助するもの。新規事業に係る「多様な経営人材の育成」や、「大企業等の経営資源の開放に資するエコシステム構築の促進」等を目指すという。

大企業の豊富な資源や人材を活用した、新規事業の創造やエコシステム構築を目指す

日本では、多くの人材が「大企業」に集中しているが、企業内で“ゼロから新規事業に挑戦できる環境・機会”は決して十分ではない。また、新型コロナウイルスの影響を受けて、企業による新規事業への資源投入や、個人が企業を辞職して起業するという挑戦がしにくい状況となっていることも想定される。

このような状況をふまえ、経産省では、所属企業を辞職せずに外部資金調達や個人資産の投下を経て起業し、起業したスタートアップに自らが出向して新規事業を行う「出向起業」の事業者を対象に、新規事業開発活動に係る経費の一部を補助する。これにより、多様な経営人材の育成のほか、新規事業創造を促進し、大企業等の経営資源の開放に資するエコシステム構築の促進を目指すという。

今回、2021年7月26日から10月1日までの2次公募から、外部審査委員会での審査を経て、新たに以下の6事業を採択した。

(事業者名/出向元企業/事業内容の順に紹介)
●株式会社レジリエンスラボ/株式会社明電舎/企業向け非常用電源・燃料等の備蓄シェアリング
●株式会社zooba/株式会社ディー・エヌ・エー/クラウドサービスのライセンス一括管理サービス
●株式会社ウィズカンパニー/株式会社ディー・エヌ・エー/アプリ連動型オンラインパーソナルトレーニングサービスの運営
●株式会社Mobirta/株式会社デンソー/シェアリング・レンタカーの軽微なキズを検出証明するセンシングシステム開発・データ収集
●株式会社Officefaction/株式会社ジェイアール東日本企画/オフィスの遊休資産(空きスペース)とコンテンツ事業者をつなげるプラットフォーム
●eyeForklift株式会社/富士通株式会社/製紙産業倉庫等におけるフォークリフト作業のIoT化


なお、本支援事業は2020年4月に開始され、今年が2年目。今回採択された6社を含め、24社の出向企業スタートアップの創設を支援している。次回公募の締切予定は2022年4月だ。

コロナ禍で出向に注目が集まっているが、さまざまな事情から仕組みを十分に活用しきれない企業も多いだろう。公的なサポートが得られることで、出向を活用した人材育成や事業発展が行いやすくなるかもしれない。