経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

5割以上の企業が事業承継に「3年以上」を要する状況が判明。中小企業や建設業の移行期間が長期化する理由とは

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

業界別では「建設業」の長期化が際立つ

さらに、事業承継の移行期間が「3年以上」との回答を、業界別にまとめた。すると、「建設業」が59.9%で最も多く、「6~9年程度」や「10年以上」の割合も、業界別で最も高くなった。建設業からは、「後継者となる子どもが若く、現在工事部の統括部長として現場経験を積ませている」(土木工事、長崎県)といった声や、「技術者の育成に10年程必要なうえ、後継者となるには、さらに3~5年である程度の仕事と経営手法を学ばなければならないため、時間がかかる」(木造建築工事、福岡県)といった意見もあがった。建設業では、開業許可の引継ぎにあたって、「経営業務の管理責任者として5年以上の経験を有した者の在籍が必要」等の要件があり、これが移行期間の長期化の一因となっている可能性がある。

また、「製造」(54.8%)や「卸売」(52.2%)でも半数を超え、全体平均の51.9%を上回る結果となった。他方で、「農・林・水産」は32.1%、「金融」は23.6%となっており、他業界と比較すると、移行期間に3年以上を要する割合は低くなった。
業界別では「建設業」の長期化が際立つ

新型コロナの影響で、事業承継への意識が変化した企業も

2020年2月以降の新型コロナウイルス感染症拡大により、社会情勢は大きく変化した。このような状況下で「自社の事業承継に対する意識の変化」について尋ねると、「変化した」は8.7%に。その内訳を見てみると、「事業承継の時期を延期」が4.3%、「事業承継の時期を前倒し」が3.5%と続いた。さらに、わずかながら、「事業承継予定から廃業に変更」(0.5%)や、「廃業予定から事業承継に変更」(0.4%)なども見られた。
 
意識に変化があった企業からは、「新型コロナによる経営環境の変化への対応のため、事業承継を延期する」(貸事務所、愛知県)や、「長期的な展望が見通せないので、事業承継に現実味が感じられない」(建築用木製組立材料製造、岩手県)といった意見があがった。さらに、「新型コロナの影響で借入金も増えてしまい、簡単に事業承継できない」(食料・飲料卸売、岐阜県)といった、財務面の課題から事業承継を延期したという声も見られた。
新型コロナの影響で、事業承継への意識が変化した企業も

事業承継を計画しても、移行期間に3年以上を要する企業は多く、特に中小企業でその傾向が目立つ結果となった。事業承継で引き継がれる項目は、「ノウハウ」や「許認可」など多岐に渡ることから、長期的な目線で計画的に進めることが肝心と言えそうだ。

お気に入りに登録

プロフィール

 経営プロ編集部

経営プロ編集部

経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

関連ニュース

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら