ENEOSや積水化学などの大企業×スタートアップで「環境エネルギーイノベーション」を推進するコミュニティがスタート

U3イノベーションズ合同会社(以下、U3イノベーションズ)とCIC Japan合同会社のCIC Tokyoは2021年9月1日、環境エネルギーイノベーションコミュニティ(以下、本コミュティ)の立ち上げと、“Core Member”7社との協業を発表した。また、本コミュティで行う「実践型イノベーションプログラム」第1期に参加する、スタートアップ企業の募集も開始している。これにより、環境エネルギー分野でのイノベーションを加速させ、さまざまな社会課題の解決に貢献していく考えだ。

スタートアップと大企業との協業を促進するイノベーションプログラムを創設

さまざまな環境問題が深刻化する現代において、環境エネルギー分野におけるイノベーションの創出は喫緊の課題だ。このような状況を鑑み、国内最大級のイノベーションセンターだというCIC Tokyoと、エネルギーを中心とした社会システム領域に特化して“スタートアップとの新たな事業創出と成長”を目指す実践者集団のU3イノベーションズは、7社のCore Memberと共同で本コミュニティを創設した。CIC TokyoとU3イノベーションズは、本コミュニティの運営に中心的な役割を果たすCore Memberとともに、「スタートアップの創出支援・探索と成長支援」を実施する。さらに、特定の社会課題を設定し、スタートアップとCore Memberの協業を促進する「実践型イノベーションプログラム」を実施する意向だ。

本コミュニティに参画したCore Member7社は以下の通り。

●株式会社INPEX
●ENEOSホールディングス株式会社
●関西電力株式会社
●積水化学工業株式会社
●双日株式会社
●東京ガス株式会社
●三菱電機株式会社


なお、Core Memberは今後さらに追加される予定だ。

「実践型イノベーションプログラム」に参加する、スタートアップを募集

本コミュニティの主要活動の1つである「実践型イノベーションプログラム」は、「自治体」、「中央省庁」、「投資家」などのステークホルダーとの連携を促進させながら、特定の社会課題に対する解決に向けて、スタートアップと大企業の協業機会を創出するもの。具体的には、Core Memberの各社が持つ独自の課題と、その解決のために求める技術領域などを提示し、課題解決への貢献が期待できるスタートアップを募る。選出されたスタートアップは、Core Memberが提供する事業フィールドやアセットを活用しながら、協業の可能性を探索するとともに、自治体・中央省庁などとの連携により、社会実装に向けた実践の場を得ることも可能だ。

また、本プログラムは一定期間に1課題へ取り組むもので、初年度は1年間で2ないしは3課題の実施を予定しているという。最初の課題は「住宅の脱炭素化」を設定しており、求めるスタートアップ、テクノロジー、製品、サービス例として、「住宅の省エネルギー性向上やライフサイクル全体での脱炭素化に資するもの」や、「住宅に関わる設備・機器(創・蓄エネ機器、家電、照明など)のエネルギー利用の効率化に資するもの」など全6領域を想定している。

第1期のプログラムへの応募資格は「設立後10年以内のスタートアップ」であることや、「住宅の脱炭素化に関心をもち、Core memberとの協業を希望している」ことなど。公募期間は同年9月1日~30日までで、採択は10月上旬を予定。プログラム実施期間は同年10月1日~12月31日までの予定だ。

「豊富な事業フィールドやアセットを有する大企業」と、「状況への柔軟な対応とスピード感を持つスタートアップ」との連携により、課題解決に向けてのスピード感が加速すると期待される。このような協業の機会を「新たな事業発展の契機」と考え、取り組んでみてはいかがだろうか。