サントリーが「DX推進による新たな価値創出」に向けて、AIスタートアップのシナモンへ資本参加

サントリーホールディングス株式会社(以下、サントリー)は2021年9月3日、AI関連製品およびサービスの開発・提供を行う株式会社シナモン(以下、シナモン)への資本参加契約を同年8月31日に締結し、資本提携を実施すると発表した。これにより、同社のDXとオープンイノベーションの推進を図りたい考えだ。

有望なスタートアップへの資本参加を通じ、オープンイノベーションと成長領域の創出へ

シナモンは高度なAI人材を擁するとともに、企業の成長戦略として同社が提唱している「ハーベストループ(データが自動的に蓄積され、事業の持続的な成長につながるループ型のビジネス構造)」に基づくAIソリューションを提供している。対してサントリーは、「顧客や社会に新たな価値を提供していきたい」という思想のもとで事業を展開している。今回、シナモンの「パーパスドリブン(「目的達成のために何が必要か」という発想)」に基づくAI成長戦略と、サントリーの思いが合致したことにより、資本提携を決定したという。

今回の提携により、「顧客体験をよりよいものとするDXの加速」、「需要予測精度向上をはじめとするサプライチェーン・マネジメント(Supply Chain Management:SCM)の改善」、「ビジネスプロセス・リエンジニアリング(Business Process Re-Engineering:BPR)の推進」、「オンライン販売における“顧客体験”と“売上の向上”に向けた手法の開発」に取り組む。これにより、顧客および社会全体に、新たな価値を提供していきたい考えだ。

さらにサントリーは今年6月、オープンイノベーション推進を通じた既存事業におけるイノベーションと、新たな成長領域創出の加速を目指す、「未来事業開発部」を新設している。有望なスタートアップ企業への投資などを通じ、提携を強化していくという。

企業同士の強みを活かし合うことで、新たな価値が生まれることもあるだろう。スタートアップと連携する大企業も多く見られるようになった現代、「他社と活かし合う」という発想も大切にしていきたい。