「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

株式会社ヴィエリスは2021年6月4日、「女性経営者の働き方」に関する調査結果を発表した。調査期間は2021年5月21日~22日で、20~60代の女性経営者107名より回答を得た。これにより、女性経営者が「有利」、または「不利」に感じていることなどが明らかとなった。

5割弱の企業で「育児休暇」が導入済み

2019年に「女性活躍推進法」が改正され、昨年6月には「女性活躍に関する情報公表の強化」や「特例認定制度(プラチナえるぼし)の創設」が行われたが、女性の働き方に変化はあったのだろうか。

はじめに、「自社の制度として導入しているもの」を尋ねた。すると、「育児休暇」が45.8%と最も多い結果に。次いで、「時短勤務」と「テレワーク」が同率で29.9%となった。
「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

「女性管理職比率30%以上」を5割以上がクリア

続いて、「会社における、管理職に占める女性の割合」を尋ねた。すると、政府が目標とする「30%以上」が55.2%で最も多い結果となった。以下「20%以上30%未満」が12.1%、「10%未満」が9.3%と続いた。
「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

業務上有利に感じていることは、「女性ならではの立場や視点」

次に、「女性経営者として、業務上有利に感じることがあるか」を尋ねた。その結果、「よくある」が10.3%、「たまにある」が35.5%と、合計45.8%が有利だと感じたことがあるとわかった。

自由回答では、「女性社員が相談しやすい」、「女性目線の商品を作りやすい」、「優先的に仕事をもらうことがある」などの声があがり、女性ならではの「立場」や「視点」が強みになっていることがうかがえる。
「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

「男性との比較」が業務上の不利に

続いて、「女性経営者として、業務上不利に感じることがあるか」を尋ねた。すると、「よくある」が17.8%、「たまにある」が30.8%と、合計48.6%が「不利に感じたことがある」という結果になった。

自由回答では、「秘書やアシスタントだと思われる」、「融資の時に査定が厳しい」、「男性に比べ頼りなく思われる」などがあがり、さまざまな面で男性経営者と比較される傾向があることが示唆された。
「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

プライベート上有利なのは「経営者仲間のつながり」や「スケジュール管理」

また、「女性経営者として、プライベートで有利に感じることがあるか」を尋ねた。その結果、「よくある」が13%、「たまにある」が23.4%で合計36.4%となった。

自由回答からは、「女性経営者は少数派なので、経営者仲間のつながりが強くなる」、「スケジュールを自分で組める」などの声があがった。
「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

プライベートな時間を持ちにくく、「家事や子どもとの関わり」の時間が不利に

続いて、「女性経営者として、プライベートで不利に感じることはあるか」を尋ねた。すると、「よくある」が9.3%、「たまにある」が24.3%で、合計33.6%という結果に。

自由回答からは、「育児に時間が取れず、親子関係が希薄になりがち」、「家事や子どもの学校行事などで出勤への影響が大きい」、「月経中など体調が悪い時」などの声があがり、家事や子どもとの関わり、体調・体力面などに苦慮している様子がうかがえる。
「女性活躍推進法」改正から2年、女性経営者が感じている「有利な面」と「不利な面」とは

女性の働きやすさを求め、「長時間営業の保育所整備」などの導入を要望

最後に、「女性がより一層働きやすくなるために、今後会社にあればいいと思う制度」を尋ねた。その結果、「在宅勤務の増加」や「夜間まで営業している保育所整備」、「性別にかかわらず、能力や成果で評価する制度」、「子育て中の休暇取得がしやすい環境」などがあがった。このように、「時間を気にせず働ける環境」や「子育てと両立しやすい環境」に関する制度の導入を期待する女性経営者が多いことがうかがえる。

今後はワークライフバランスなどを踏まえ、性別を問わず、より柔軟な社内制度の普及が求められるだろう。自社の制度や勤務環境について、いま一度見直してみてはいかがだろうか。