「新型コロナウイルス」の影響が懸念される下請事業者との取引について、経済産業省が親事業者に要請

経済産業省は2020年2月14日、感染が拡大している「新型コロナウイルス」による日本の生産活動への影響を懸念し、親事業者に対して、下請中小企業への配慮をおこなうよう要請した。「不当な取引条件」や「不適正なコスト負担」を押しつけないことを主な内容としている。

経営基盤の弱い下請企業への配慮要請

「新型コロナウイルス」の発生から感染拡大にともない、中国国内では生産活動の停滞や機械部品の輸入遅延が生じており、日本国内製造業へのサプライチェーンや取引に悪影響を及ぼす問題が起こっている。経済産業省は、こうした取引上の影響が、日本全国の親事業者・下請事業者にまで広がる可能性を指摘している。

状況の深刻化を鑑み、経済産業省は業界代表791団体に向け、下請企業に対して「不当な取引条件の押しつけがないようにすること」といった、必要な配慮を要請した。経営基盤の弱い下請事業者や中小企業への負担を最小限にとどめることを目的としており、今後、他省庁が所管としている業界代表338団体にも順次要請していく方針だ。

具体的な要請内容としては、「通常支払われる対価よりも低い下請代金を設定しない」、「不適正なコスト負担にて短納期発注、部品の調達業務の委託をしない」など、不当な取引を規制している。

また、実際に「新型コロナウイルス感染症」の影響を受けた下請事業者が事業活動を維持もしくは再開させる場合には、できる限り従来の取引関係を継続して、優先的に発注をおこなうよう配慮も求めている。

親事業者は今後、取引上の立場の強さを背景に、下請の中小企業が過度な負担を被らないよう、一層注意を払う必要がある。