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【社長の年金】第8回 社長夫人はいくら年金をもらうのか

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これまで7回にわたり、社長自身が受け取る老後の年金について、「職場を法人化していない個人オーナーのケース」と「法人化された職場を率いる代表取締役のケース」に分けて紹介してきた。第8回の今回は、社長に扶養される配偶者の場合は、老後にいくら年金を受け取るのかについて考えてみよう。

40年間の保険料納付で満額受給になる「個人オーナーの配偶者」

社長に扶養されている配偶者が老後に受け取る年金は、社長が職場を法人化していない個人オーナーか、法人化された職場を率いる代表取締役かによって異なる。

初めに、社長が職場を法人化していない個人オーナーの場合を考えてみよう。「個人オーナーである夫に扶養される配偶者」の場合、公的年金上の立場は、年齢が20歳以上60歳未満で日本国内に居住しているのであれば、国民年金の第1号被保険者とされる。これに該当すると、毎月、定額の保険料を納付する法律上の義務が課される。従って、毎月、定額の保険料を自分自身で納めなければならないことになる。

国民年金の場合には、20歳以上60歳未満の40年間、毎月欠かさず保険料を納めると、老後に年金を満額受給できる仕組みになっている。保険料を納めた期間が40年に満たない場合には、それに応じて受け取れる年金も減額されることになる。例えば、20歳から60歳になる前までの40年間のうち、保険料を納めた期間が30年しかなければ、老後に受け取る年金も満額の4分の3になるわけである。

従って、仮に20歳以上60歳未満の40年間について「個人オーナーである夫に扶養される配偶者」という立場で、この間、もれなく国民年金の保険料を自分で納めた人が、国民年金の制度から受け取れる老後の年金の満額を算出すると、1年間で780,100円となる。さらに1カ月あたりに換算すると、「個人オーナーである夫に扶養される配偶者」は、保険料を全納している人ならば自分名義の年金を約65,000円ずつ受け取れることになるわけである。

保険料を全く納めずに満額受給も可能な「法人の代表取締役の配偶者」

一方、社長が「法人化された職場を率いる代表取締役」の場合はどうであろうか。「法人の代表取締役である夫に扶養される配偶者」の公的年金上の立場は、自身の年齢が20歳以上60歳未満で、夫の年齢が65歳未満であれば、一般的には国民年金の第3号被保険者とされる。これに該当する人は、前述の第1号被保険者と異なり保険料を納付する法律上の義務を課されない。

しかしながら、第3号被保険者が保険料を納めなかった期間は、老後受給できる年金額を決める上では「保険料を納めた期間」として計算されることになっている。つまり、20歳以上60歳未満の40年間、第3号被保険者であった場合、保険料を納付したか否かに関わらず、全納されているものとして年金額が決まることになる。従って、仮にこの間、国民年金の保険料を1円も納めなくとも、老後に満額の年金受給が可能になる。自身の懐を全く痛めることなく、自分名義の年金を1カ月当たり約65,000円受け取れるわけである。

年金制度は「保険原理」に基づいて運営されるものである。「保険原理」の大原則の一つは、「保険料を“納めた人”が、年金を受け取れる」というものである。その意味では、「保険料を“納めない人”でも、年金を受け取れる」という第3号被保険者の制度は、「保険原理」から大きく逸脱した仕組みである。なぜ矛盾した条件が両立しているかというと、「扶養されている配偶者には、自身の収入がないのだから保険料負担は求めない」という考えから、保険料を納めなくても年金受給を認める第3号被保険者制度が設けられているものである。

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