
あなたは1日の仕事の中で、会議にどのくらい時間を割いているだろうか。働き方改革、生産性改革が叫ばれている昨今、会議の生産性向上についても十分に議論が必要だろう。そこで本コラムでは、世界的なインストラクター養成機関「デール・カーネギー・トレーニング」のグローバル・マスター・トレーナーである著者が、会議を活性化させるコツを、コミュニケーション面に的を絞ってお伝えする。
「ペップトーク」で自分とメンバーのエネルギーを高めよう
会議の司会や主催者が、こんなふうに会議を始めたらどう感じるだろうか。
・元気なさそうに
・気乗りしない感じで
・やらされ感たっぷりで
・哀れなほど緊張しながら
あなたが参加者なら、きっとこう思うに違いない。
「はぁ、朝っぱらからめんどくさいなぁ」
「このテンションに1時間付き合わなきゃならんのか」
「俺は忙しいんだけどな。とりあえずこっそり内職しちゃおう」
こんな会議から、いい意見が出てくるわけはない。主催者が頼りないのに、参加者に前向きさを期待するのは酷な話だ。
会議を活性化するにあたって、まず「コミュニケーションは鏡」だということを覚えておこう。主催者が笑っていないのに、鏡に映った参加者が笑うわけがない。主催者の態度や話し方は、参加者に影響する。つまり参加者を前のめりにするには、まずは主催者自身がポジティブな姿勢でいる必要があるということだ。
では、どうすればよいか。会議の直前に、以下のようなポジティブな言葉を自分自身に何度か言い聞かせてみよう。元気が出てくるような言葉であれば何でもいい。できれば大きな声で、身振り手振りも加わればなおよい。
「今日も絶好調!」
「今日の会議は最高だ!」
「俺はできるー!」
すると不思議なことに、話し方には自然とエネルギーが満ち、表情も自信と親しみがあふれたものになり、ポジティブな印象に変わるだろう。
バカバカしいと思われるかも知れないが、これはれっきとした自分を鼓舞するための手法で、「ペップトーク(Pep Talk)」呼ばれる。アスリートが自分やチームを鼓舞するために掛け声をかけるのは、その代表的な活用例と言えるだろう。
こうしたペップトークは、会議の前に委縮し緊張している自分を奮い立たせリラックスさせ、より自然でポジティブなエネルギーを持たせる効果がある。
主催者が会議前にこれを行うと、参加者の気持ちも変わってくる。「お、今日はなんかいつもと違うな」と、内職する手を止めるだろう。
世界的名著「人を動かす」を著したデール・カーネギーはこう言っている。
「熱意があるように振る舞えば、心に熱意が湧いてくる。そしてそれは周囲に伝染する」
会議の主催者となったならば、ペップトークで自分を奮い立たせ、ポジティブに会議を始めよう!
・元気なさそうに
・気乗りしない感じで
・やらされ感たっぷりで
・哀れなほど緊張しながら
あなたが参加者なら、きっとこう思うに違いない。
「はぁ、朝っぱらからめんどくさいなぁ」
「このテンションに1時間付き合わなきゃならんのか」
「俺は忙しいんだけどな。とりあえずこっそり内職しちゃおう」
こんな会議から、いい意見が出てくるわけはない。主催者が頼りないのに、参加者に前向きさを期待するのは酷な話だ。
会議を活性化するにあたって、まず「コミュニケーションは鏡」だということを覚えておこう。主催者が笑っていないのに、鏡に映った参加者が笑うわけがない。主催者の態度や話し方は、参加者に影響する。つまり参加者を前のめりにするには、まずは主催者自身がポジティブな姿勢でいる必要があるということだ。
では、どうすればよいか。会議の直前に、以下のようなポジティブな言葉を自分自身に何度か言い聞かせてみよう。元気が出てくるような言葉であれば何でもいい。できれば大きな声で、身振り手振りも加わればなおよい。
「今日も絶好調!」
「今日の会議は最高だ!」
「俺はできるー!」
すると不思議なことに、話し方には自然とエネルギーが満ち、表情も自信と親しみがあふれたものになり、ポジティブな印象に変わるだろう。
バカバカしいと思われるかも知れないが、これはれっきとした自分を鼓舞するための手法で、「ペップトーク(Pep Talk)」呼ばれる。アスリートが自分やチームを鼓舞するために掛け声をかけるのは、その代表的な活用例と言えるだろう。
こうしたペップトークは、会議の前に委縮し緊張している自分を奮い立たせリラックスさせ、より自然でポジティブなエネルギーを持たせる効果がある。
主催者が会議前にこれを行うと、参加者の気持ちも変わってくる。「お、今日はなんかいつもと違うな」と、内職する手を止めるだろう。
世界的名著「人を動かす」を著したデール・カーネギーはこう言っている。
「熱意があるように振る舞えば、心に熱意が湧いてくる。そしてそれは周囲に伝染する」
会議の主催者となったならば、ペップトークで自分を奮い立たせ、ポジティブに会議を始めよう!
プチファシリテーションしてみよう
ここからは、ペップトーク以外の「会議を活性化させるポイント」をいくつか挙げていこう。
・どんどん質問しよう
気持ちよく会議のスタートが切れたら、自分1人でずっと喋らず、参加者にどんどん質問してみよう。
「問題は何だと思う?」
「それを打開するにはどんな方法があるかな?」
「この状況が進んだらどんな影響があると思う?」
人間は他人の話ばかり聞いていると、集中力が低下してしまうもの。要するに、飽きてしまうのだ。それを防ぐためにも、オープンクエスチョンで参加者を会議の中心に巻き込もう。
・質問したら10秒待つ
質問したら、実際に答えてもらおう。よくあるのは、質問者が自分で自分の質問に答えてしまっている状況である。これは沈黙が怖いから、あるいは、思惑と違う答えが返ってくるのが怖いからだ。
しかし、沈黙を恐れないようにしよう。その間、参加者は考えを巡らせ、意見を述べるための心の準備をしているのだ。したがって、ひとまずニコニコしながら、10秒は待ってほしい。
・少人数で話をさせる
10秒経っても、質問された参加者から意見が出ない場合がある。その原因はいくつか考えられるが、1つは質問が分かりにくかったという可能性があるので、まずは質問の表現を変えてみよう。それでも答えが出てこない場合は、その参加者が、大勢の前で意見を述べることを恐れている可能性がある。
その場合は、2~3人組で手短にディスカッションさせてみよう。人間は少人数の輪であれば、よりリラックスして話せるものだ。その上で、どんな意見がでてきたか各グループに聞いてみよう。驚くほどさまざまな意見が出てくるはずだ。
・とにかく全肯定しよう
意見が出てきたら、とにかくまず肯定しよう。
「いいね!」
「その通り!」
「なるほど!」
「ありがとう!」
これをファシリテーションでは、「アファーミング(affirming、肯定)」という。仮に的外れな意見が出たとしても、否定しないほうがよい。
「それも大事なことだね!」
「後で議論していこう!」
などと肯定的しよう。
会議で参加者が意見を述べないのは、人前で否定されたくないからだ。否定されるくらいなら黙っているのだ。それを打開するには、とにかく意見を出してくれたことに感謝し、肯定的に扱おう。そうすれば意見を言ってもよいのだという、心理的安全が確立される。
無論、アファーミングの言い方も大事、ということを覚えておこう。前述のようにポジティブなエネルギーで反応しよう。
繰り返すが、「コミュニケーションは鏡」である。主催者がポジティブに振る舞えば、参加者もポジティブに反応してくれるのだ。
石原由一朗(いしはら ゆういちろう)
公式サイト
人財・組織開発コンサルタント
デール・カーネギー・米国本部 Global Master Trainer
立教大学経営学部兼任講師
・どんどん質問しよう
気持ちよく会議のスタートが切れたら、自分1人でずっと喋らず、参加者にどんどん質問してみよう。
「問題は何だと思う?」
「それを打開するにはどんな方法があるかな?」
「この状況が進んだらどんな影響があると思う?」
人間は他人の話ばかり聞いていると、集中力が低下してしまうもの。要するに、飽きてしまうのだ。それを防ぐためにも、オープンクエスチョンで参加者を会議の中心に巻き込もう。
・質問したら10秒待つ
質問したら、実際に答えてもらおう。よくあるのは、質問者が自分で自分の質問に答えてしまっている状況である。これは沈黙が怖いから、あるいは、思惑と違う答えが返ってくるのが怖いからだ。
しかし、沈黙を恐れないようにしよう。その間、参加者は考えを巡らせ、意見を述べるための心の準備をしているのだ。したがって、ひとまずニコニコしながら、10秒は待ってほしい。
・少人数で話をさせる
10秒経っても、質問された参加者から意見が出ない場合がある。その原因はいくつか考えられるが、1つは質問が分かりにくかったという可能性があるので、まずは質問の表現を変えてみよう。それでも答えが出てこない場合は、その参加者が、大勢の前で意見を述べることを恐れている可能性がある。
その場合は、2~3人組で手短にディスカッションさせてみよう。人間は少人数の輪であれば、よりリラックスして話せるものだ。その上で、どんな意見がでてきたか各グループに聞いてみよう。驚くほどさまざまな意見が出てくるはずだ。
・とにかく全肯定しよう
意見が出てきたら、とにかくまず肯定しよう。
「いいね!」
「その通り!」
「なるほど!」
「ありがとう!」
これをファシリテーションでは、「アファーミング(affirming、肯定)」という。仮に的外れな意見が出たとしても、否定しないほうがよい。
「それも大事なことだね!」
「後で議論していこう!」
などと肯定的しよう。
会議で参加者が意見を述べないのは、人前で否定されたくないからだ。否定されるくらいなら黙っているのだ。それを打開するには、とにかく意見を出してくれたことに感謝し、肯定的に扱おう。そうすれば意見を言ってもよいのだという、心理的安全が確立される。
無論、アファーミングの言い方も大事、ということを覚えておこう。前述のようにポジティブなエネルギーで反応しよう。
繰り返すが、「コミュニケーションは鏡」である。主催者がポジティブに振る舞えば、参加者もポジティブに反応してくれるのだ。
石原由一朗(いしはら ゆういちろう)
公式サイト
人財・組織開発コンサルタント
デール・カーネギー・米国本部 Global Master Trainer
立教大学経営学部兼任講師
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