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部分最適思考型社員の組織適合性

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「部分最適思考」の社員ばかりでは「全体最適」は実現できない

「部分最適思考」と「全体最適思考」という2つの概念がある。

前述した状況を、これら2つの概念を用いて整理すると、自分の行動が会社に“マイナスの影響”を与えることを顧みず、有給休暇取得という“自分にとっての最良の選択”をしたA社員の行動は、「部分最適思考」と言える。

これに対して、会社の置かれている状況を考え、有給休暇取得の希望を取り下げて出勤するという“会社にとっての最良の選択”をしたB社員の行動は、「全体最適思考」と言える。

ここで押さえておきたいのは、「部分最適」の総和は、決して「全体最適」にはならないということだ。つまり、組織を構成するメンバーが、“自分にとっての最良の選択”を主張する「部分最適思考」の社員ばかりでは、その企業にとって最も望まれる状態である「全体最適」は到底、実現不可能なのである。

たとえ、社員の行動に法律上の直接的な問題がなかったとしても、この原則は変わらない。したがって残念ながら、「部分最適思考」の強い社員は、組織運営に対する適合性が低いと言わざるを得ないわけである。

経営課題解決のカギを握る「全体最適思考型社員」

もちろん、法律上の定めを軽視するわけではない。元来、企業には労働法制を遵守しなければならない厳しい義務が課されており、加えて今春からスタートする「年次有給休暇の時季指定義務」にも適切に対応しなければならない。

ただし、すでに強調したように、企業経営においては、法律の定めだけでは解決できない問題が発生することがある。

そのような時、経営課題解決の重要なカギを握るのが、企業にとっての最良は何かを考えて自身の行動を選択できる「全体最適思考」を持つ社員の存在である。

想定外の環境変化に直面したときには、「部分最適」ではなく「全体最適」で動ける社員が、組織運営への適合性が高い“望まれる社員像”と言えるだろう。

そのため、法を遵守した上で、さらに円滑な企業運営を実現するには、いかにして「全体最適思考」を持つ社員を採用・育成するかが重要になる。

皆さんの職場では、「部分最適思考」と「全体最適思考」、どちらの社員が多いだろうか。

コンサルティングハウス プライオ
代表 大須賀信敬
(中小企業診断士・特定社会保険労務士)

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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