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【社長の年金】第5回 社長業を続けると年金がカットされる仕組みとは(60歳台前半編)

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トータルの収入は社長業を続けているほうが多い

それでは、社長業を続けている場合と、続けていない場合で、月々の収入額はどの程度違うのだろうか。前述の「年金」、「役員報酬」、「役員賞与」の“1ヵ月分に相当する金額”を使って比較をすると、次のようになる。

【社長業を続けている場合の1ヵ月の収入】
「年金」の“1ヵ月分に相当する金額”…4万円
「役員報酬」の“1ヵ月分に相当する金額”…20万円
「役員賞与」の“1ヵ月分に相当する金額”…10万円 合計34万円

【社長業を続けていない場合の1ヵ月の収入】
「年金」の“1ヵ月分に相当する金額”…10万円

以上のように、月々の収入は社長業を続けているほうがはるかに多い。

また、社長業を続けている場合には、月々、厚生年金の保険料を納めているので、その納付実績が今後の年金の増額に結び付くことになる。このことを考慮すると、年金のカットこそあるものの、社長業を続けていたほうが、経済的には有利なように思える。

しかしながら、一旦カットされた年金が、後日、支払われることはない。社長業を辞めた暁には、カットされた年金を返してもらえるのではないかと考えている方もいるかもしれないが、そのような仕組みは存在しない。

そのため、「年金をカットされることが、どうにも我慢ならない!」という理由から、リタイアを検討する社長もいるようである。

年金カットは法人オーナーならではの悩み

実は、国民年金には、厚生年金と違って上記のような仕組みが存在しない。したがって、個人経営のオーナーの場合には、年金を受け取りながら社長業を続けていても、年金がカットされるという事態には遭遇しない。社長業を続けていることによる年金カットは、法人の代表者ならではの悩みと言える。

もちろん、役員報酬や役員賞与の額を調整して、年金カットを回避したり、カット額を削減したりすることができないわけではない。だが年金のカットを嫌って、役員報酬などの額までコントロールすることが、果たして企業経営上、好ましいことなのか、という問題は残るであろう。皆さんはどのように考えるだろうか。

次回は、法人の代表者の年齢が“60歳台後半(65歳以上70歳未満)の場合”の在職老齢年金について考えてみよう。

コンサルティングハウス プライオ
代表 大須賀信敬
(中小企業診断士・特定社会保険労務士)

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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