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助成金の落とし穴(下)

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前回までに、助成金制度の紹介と、助成金を食い物にした悪質業者の手口、そのトラブル事例を紹介してきたところである。最終回となる本稿は、これらトラブルに巻き込まれぬよう、助成金に関する留意点を総括する場としたい。

相手は誰なのか?

まず念頭におくべきは、依頼を受けて助成金申請手続を行うことが許されているのは、社会保険労務士だけである。社会保険労務士でない者(助成金コンサルタント、研修会社、ホームページ制作会社等)が、助成金申請に係る事務代行をすることは、社会保険労務士法に違反する。この点は、全国社会保険労務士会連合会においても「ニセ社労士」と称し、注意を促している。

自社に代わって申請手続やアドバイスをしている目の前の人物は誰なのか、契約前にきちんと確認しておくべきだろう。前回確認したように、助成金申請に係る責任の所在は、使用者にあるからだ。

公金であることの再認識を!

言うまでもなく、助成金は公金である。そのため、受給してから5年以内に、行政によってその後の実態調査が行われることがある。会社は公金を受け取る以上、これらサンプリング調査に対して、帳票書類等を提出し、協力しなければならない。調査の種類は、主に2つ存在する。

1つは、助成金担当窓口となった行政(労働局等)による調査だ。助成金申請時の内容が適正であったかどうか、申請内容に即し、その後も適正な労務管理がされているか否かについて確認される。

2つ目は、会計検査院による調査だ。誤解している人がいるが、会計検査院の調査は、私たち民間企業を対象に調査しているのではない。会計検査院は、あくまでも担当した行政機関に対し、公金である助成金を適切かつ有効に執行したかどうかをチェックする。この一環として、交付決定した行政機関の判断に誤りがなかったか、申請時の審査が適切であったかを確認するため、受給した会社にも間接的に調査が及んでくる訳である。

多くは、これらどちらかの調査で不正受給等が明るみに出ることが多い。とはいえ、実態に基づいて申請し、その後も適正な労務管理をしている会社であれば、何の問題もない。しかし助成金を貰えさえすればいいと、外部コンサルの言いなりで申請・受給し、その後も申請内容に基づかないいい加減な労務管理をしていると、前回述べたとおり、助成金額などをはるかに超えた制裁を受ける可能性がある。助成金を甘くみてはいけない。

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