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表に現れない労務リスクの怖さ(下)

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おわりに

法定化された会計監査とは異なり、人事労務監査は任意であるため、実施するか否かは会社に委ねられている。しかし中小企業では実施していない会社がほとんどだ。ゆえに人事・労務分野の問題点が見えにくい。振り返りの場を意識的に設けなければ、知らず知らずのうちに労務リスクを積み重ねているかもしれない。これが労務分野特有の怖さである。気づいた時には手遅れだったでは洒落にもならない。

だから、潜在的な労務リスクを洗い出す定期的な場が必要であることを繰り返し説いてきた。最後に、今一度、労務リスクをあぶり出す必要性を振り返っておこう。


第一は、企業経営コンプライアンスが重視され、人口減少社会にある今、労務リスクを放置する会社は、人材が寄り付かなくなるからである。よって、仕事があっても、マンパワー不足に直結する。近い将来、事業継続を困難にする最大の要因となり得る危険性がある。

第二は、企業間の合併や事業譲渡をしようとする場合だ。潜在的な労務リスクが見つかれば、リスクに見合った分だけ企業価値は減少することになる。これが原因で、合併自体の話がなくなる、あるいは、大切な会社が安く買い叩かれる可能性が出てくる。

こうならないためにも、経営という全体像から、財務に限らず、人事・労務管理にも目を向け、強い企業を作ることが経営者には求められている。人事労務管理は、日々の積み重ねの結果である。日々の取り組みが魅力ある企業を創造するのだと私は思う。

SRC・総合労務センター、株式会社エンブレス
特定社会保険労務士 佐藤正欣(まさよし)

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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