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残業はなぜ無くならないのか…データから見えてきた「残業発生のメカニズム」

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長時間労働をいかにマネジメントで是正するか

これらの特徴は相互に関連しながら悪循環を生み、長時間労働の常態化につながっている。人材開発を専門とする中原氏は、残業の弊害の中でも、個人の成長が妨げられている点を特に問題視している。残業時間が月60時間以上の層は、フィードバックや職場外学習の機会などが得られない傾向も高くなっている。
発生メカニズムを踏まえた残業施策として、プロジェクトでは、「麻痺」発生防止と、「集中」「感染」の是正を、両輪で進めるべきだと提言。特に後者は、マネジメントや組織風土の改革、報酬・評価制度の変革によって、職場の時間あたりの生産性を向上させるものであり、極めて重要だ。

残業の集中の是正においては、優秀さを基準にしたジョブアサインから脱却するために、個人スキルの底上げなど、人材育成を図るよりほかないだろう。また、残業の遺伝の是正においては、日本で根強い「たくさん働くほど成長する」という考え方を見直す必要がある。

中原氏は「働く時間が長いほど業務能力が上がるというのは俗説。長時間労働よりも、フィードバックや振り返りの時間を確保したほうが、人材育成の効果は大きく、中長期的な残業抑制にもつながる」として、発想を転換する必要性を訴えた。また、残業施策を成功させるためには、メールやイントラネットなど多様な告知手法を併用して周知を徹底し、従業員本人と職場のコミットメントを高めることが鍵となる点も報告された。

現代社会は「人生100年時代」を迎えようとしている。中原氏は最後に、働くことを陸上競技に例え、「昔は『中距離走』だったが、今はすでに『長距離走(=長期間労働)』の時代に突入している。完走するためには、長時間労働を是正して、走り続けることができる働き方をしなければならない」と締めくくった。

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