経営・ビジネスの課題解決メディア「経営プロ」

副業・兼業の諸問題を考える(下)

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

おわりに

このように筆者が述べると、時代錯誤で副業容認に否定的だと思われるかもしれない。今や産業は国境を越えており、イノベーション戦略の一つとして、副業容認の方向性は、少なくとも理解できる。しかし、生命・身体に関わる問題点のルールが曖昧・不明確なままでは、一企業が背負いきれる責任の域を超えてしまうと言わざるを得ない。

法的観点では、労働時間通算の規定を改めるとともに、副業する者の企業に対する真正な申告義務規定を設け、さらには一定水準の労務管理を果たした企業に対する免責規定を設ける必要があるのではないか。

一方、副業をする者の観点では、労災事故に対する保険給付に関し、行政がマイナンバーを活用し、本業と副業の給与を合算した給付が可能となるよう改めることが求められるだろう。一企業の責任に押し付けるのではなく、労災保険制度という枠組みにおいて、社会全体で担保することが必要だからだ。でなければ、被災労働者の迅速かつ公正な保護とは言えない。これらが整備された先に、副業容認という概念が生まれると考える。

厚生労働省の「柔軟な働き方に関する検討会」で、これら諸問題を踏まえた今後の議論を期待したい。


SRC・総合労務センター、株式会社エンブレス
特定社会保険労務士 佐藤正欣(まさよし)

お気に入りに登録

プロフィール

 経営プロ編集部

経営プロ編集部

経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

関連ニュース

会員登録 / ログイン

会員登録すると会員限定機能や各種特典がご利用いただけます。 新規会員登録

会員ログインの方はこちら