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中小企業ほど大切なメンタルヘルス対策、不調者を早期発見する方法

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これまで中小企業でのメンタルヘルス対策というのは、どちらかというと後回しになっていることが多かったというのが現状ではないだろうか?当事務所でも、予防をやりたいと相談に来ていただけるケースは残念ながら少なく、ほとんどは、すでにトラブルが発生しており、どのように対処してよいかわからない、というケースである。果たして、中小企業では本当にメンタルヘルス対策の必要はないのだろうか?
職場でのメンタルヘルス問題を抱えている社員が存在する割合

職場でのメンタルヘルス問題を抱えている社員が存在する割合

上記はメンタルヘルスに問題を抱えている社員の数を、企業規模ごとに比較した調査である。ここで注目すべきは、30名未満であっても999名未満であっても、それほど不調者の割合は変わらないという事実だ。これは、中小零細企業であってもメンタルヘルス対策が必要であるということを如実に示しているといえるだろう。

現在、ストレスチェックが義務化されているのは、50名以上の事業場とされている(50名未満は努力義務)。しかしながら、どのような規模であってもメンタルヘルス対策は必要だろうし、むしろ、社員の少ない企業ほど、1人が休職などで欠けるインパクトは大きいはずだ(例えば1万人の会社で1人休職するのと、10名の会社で1名休職するのとでは、どちらのインパクトが大きいだろうか?)。中小企業ほど、事業を安定して継続していくために、メンタルヘルス対策が必要といえるのではないだろうか。

休職者が出た場合…

メンタルヘルス不調で休職せざるを得ない社員が出たときは、多くの企業においてその対応が後手後手になってしまう。外部のコンサルタントとして相談を受けると、もっと早くこうしておけばよかったのに、という例が非常に多い。ではなぜ、そうなってしまうのだろうか?

その理由のひとつとして、管理職がメンタルヘルス対策への理解が少ないことが挙げられる。管理職は、職場の要だ。ここがうまく機能していないと職場の生産性は高くならない。これはメンタルヘルス対策に限ったことではなく、日常のマネジメントにも通じることである。では、管理職に上手くメンタルヘルス対策をさせるためにはどうしていけばよいだろうか?

一般的には、管理職研修をしましょうとなるのだが、加えて、「人事へ連絡する際の客観的な基準を定める」ことをお勧めする。例えば、「社員の様子が何かおかしいときは人事へ連絡をしましょう」、ではなく、「社員が遅刻をした際、もしくは1週間に2日以上有給(旅行など理由が明らかな場合は除く)を取得した際は、人事へ連絡する」というように社内ルールを設定し、運用していくことだ。

このように客観的なルールを定めることにより、管理職からすると、何やら難しいメンタルヘルス対策ではなく、通常の勤怠管理へと変わっていく。このように社内ルールを客観的な数値で定めることにより、不調者の早期発見をすることができ、深刻な状態になる前に対応することができるのだ。

メンタルヘルス対策は、ことさら難しいものではない。少しの工夫と継続で、不調者を減らすことはもちろん、組織を活性化させ、業績を向上することだってできるだろう。とはいえ、どのようにやればよいか不安だと感じられたら、一度、社労士事務所などの専門家へ相談するのもいいだろう。

Office CPSR 臨床心理士・社会保険労務士事務所 代 表
一般社団法人 ウエルフルジャパン 理 事
産業能率大学兼任講師
植田 健太

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プロフィール

 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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