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中小企業にとって、働き方改革の他に必要なことは?

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経営努力も必要

 だからと言って、中小企業の社内にまったく問題がない訳ではない。中小企業の経営者は、外部環境をすべての理由にして「できる訳ない」と匙を投げてはいけない。大きな過渡期にあるいま、旧態依然とした経営を続ければ将来はないからだ。社内で一つずつ改善すべき課題はある。それを重ねていく努力はしていかねばならない。なかでも早急に取り組むべきは職務の整理である。その上で、現行の仕事のやり方、させ方を改めていく必要がある。面倒かもしれないが、ここは現場任せではなく、経営陣主導のもと、今一度、職務の見直しを真剣に考えたい。そうすれば、必ずその先に統廃合や細分化が可能な職務を見つけ出すことができる。標準化、システム化ができれば誰でも担当することが可能となる。IT化が図れれば、時間削減にも繋げられる。突発的事情で誰かの働き方に制限が加わっても、引き継ぎの時間が減るばかりか、業務の空白を避けることが可能となる。長期的には人材の定着にも繋がる。

 人口減少社会にあるいま、従来の働き方を見直す絶好の機会である。しかし、これまでみてきたように、それを実現するために労働時間法制の改正だけに解決の糸口を求めることは不安がある。自社の経営努力だけでは完結困難な立場にある中小企業が割を食う(法違反状態)ことに繋がってしまうからだ。近江商人の商売の心得として「三方良し」という考え方は有名である。まさにこの精神に立ち、働き方とあわせ、企業間取引の倫理的配慮を求めるルール(規制)のあり方についても、国や業界団体をはじめ各企業が考えていくべきではないだろうか。これからの日本がさらに発展していくためにも……。


SRC・総合労務センター 株式会社エンブレス 特定社会保険労務士 佐藤正欣】

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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