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“褒める”とは管理職の育成である

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管理職自身の成長へ

 そう!管理職が部下個々人を注意深くみていないと、具体的に褒めることができないのである。だから、部下を褒めるという行為は、まず管理職の育成なのだ。管理職がアンテナを高く張る訓練をすることで、部下個々人の仕事ぶりがよく見えるようになる。その先に褒められた部下のやる気や自信の醸成があるのである。企業において、褒めるという行為は、部下の指導育成方法の一つと捉えられる傾向にあるが、順序が逆だと思っている。もちろん、誤りではないが、第一義的には管理職育成のための手法だと筆者は考えている。まずは、上司自身の管理職としての成長なのである。

 ところで、どの企業も限られた人材で組織することが多い昨今、管理職とはいえ、プレイングマネジャーであることが一般的だ。だから、管理職の立場からすれば、自分の担う仕事も大変なのに、個々人の細かいところまで目配りできないと言うかもしれない。であるならば、企業はその管理職に対して下手に部下を褒めることをさせない方がよい。部下といえども相手も立派な大人だ。上司が自分のことをきちんと見た上で本心から褒めているのか、そうでないか解るからである。

おわりに

 よく他人の欠点を見つけ出すことは容易である反面、良い面を挙げることは難しいと言われる。しかし、部下を褒めて伸ばすことが上手な上司は、実によく部下のことを見ている。そして褒める際の言葉がとても具体的だ。指導しなければならない時も、まず最初に良い点を探し出して、そこをより具体的に褒めている。その後にダメな点(指導したい部分)を告げる。だから、相手の心に響いて届く。これができているか、いないかが褒め上手な上司か、褒め下手な上司かを分ける決定的なポイントだと言えないだろうか。
 自社の人材を“褒めて伸ばす”よう機能させるためには、管理職層が個々の部下に対して目配りできているか否か。企業側として、まずここを出発点として確認することを忘れてはいけないと思うのである。

SRC・総合労務センター 株式会社エンブレス 特定社会保険労務士 佐藤正欣】

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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