
先日、大手広告代理店とその関連会社へ厚生労働省の「過重労働撲滅特別対策班(かとく)」が異例の大捜索に入った。関連して、大手靴販売チェーン店や大手ディスカウント店の報道も相次いでいる。いずれにも共通するのが「サービス産業における長時間労働」という現実だ。国が長時間労働対策に本腰を入れるなか、この流れは大手企業にとどまらず、中小企業にも及ぶものと推察される。今回は、中小企業におけるサービス産業の長時間労働削減に必要な視点について考えてみたい。
長時間労働に陥る企業の特徴
まず長時間労働が常態化する企業の特徴を考えると、主に次の三点を内在していることが多い。
第一は、所定労働時間があってないような会社だ。一応は8時間以内に設定されているものの、当然この時間内で業務が終わった試しがないから労働者側が端から諦めているケースである。定時で帰宅できないことが当たり前の会社(加えてサービス残業の会社)は、所定労働時間を基準に業務処理を考えることは少なく、残業ありきでスケジュールを組み立てる。どうせ早く帰れない(給与も変わらない)のであれば、優先度合いを付けて仕事をしようというインセンティブは低くならざるを得ない。だから生産性も落ちる。
第二は、採用募集しても人が満足に集まらない、集まったとしてもすぐに辞めてしまうという理由を盾に経営陣が改善自体を諦めてしまっているケースだ。この裏には、人さえ集まれば人海戦術で長時間労働の問題が解決するという主張に繋がる。しかし、拘束時間が長く労働環境が悪いから人が集まらない(辞めてしまう)のであれば、現体制で改善できる策を講じなければ人材の定着は望めない。これができなければ、いつまで経っても堂々巡りである。また、現体制で可能な改善策を講じられない企業は、総じて人材が増えたとしても長時間労働が解決することは少ない。いま手中に無いものを望むばかりで、いま有る中でどうすべきか?というマネジメント体制が脆弱だからである。
第三は、社内会議等が多い・時間が長い会社だ。漫然と開催する会議は、貴重な時間を無駄に費やしているだけに他ならない。何の目的で開催するのか、集まってすべき議題なのか否かが不明確で時間設定等もなくダラダラといたずらに行っている場合が多い。社歴の長い会社ほど定期的な見直しが必要なのに、変化を恐れて組織が硬直し前例を踏襲することが少なくないように感じる。
第一は、所定労働時間があってないような会社だ。一応は8時間以内に設定されているものの、当然この時間内で業務が終わった試しがないから労働者側が端から諦めているケースである。定時で帰宅できないことが当たり前の会社(加えてサービス残業の会社)は、所定労働時間を基準に業務処理を考えることは少なく、残業ありきでスケジュールを組み立てる。どうせ早く帰れない(給与も変わらない)のであれば、優先度合いを付けて仕事をしようというインセンティブは低くならざるを得ない。だから生産性も落ちる。
第二は、採用募集しても人が満足に集まらない、集まったとしてもすぐに辞めてしまうという理由を盾に経営陣が改善自体を諦めてしまっているケースだ。この裏には、人さえ集まれば人海戦術で長時間労働の問題が解決するという主張に繋がる。しかし、拘束時間が長く労働環境が悪いから人が集まらない(辞めてしまう)のであれば、現体制で改善できる策を講じなければ人材の定着は望めない。これができなければ、いつまで経っても堂々巡りである。また、現体制で可能な改善策を講じられない企業は、総じて人材が増えたとしても長時間労働が解決することは少ない。いま手中に無いものを望むばかりで、いま有る中でどうすべきか?というマネジメント体制が脆弱だからである。
第三は、社内会議等が多い・時間が長い会社だ。漫然と開催する会議は、貴重な時間を無駄に費やしているだけに他ならない。何の目的で開催するのか、集まってすべき議題なのか否かが不明確で時間設定等もなくダラダラといたずらに行っている場合が多い。社歴の長い会社ほど定期的な見直しが必要なのに、変化を恐れて組織が硬直し前例を踏襲することが少なくないように感じる。
形だけの対策は意味がない
このような特徴を持つ企業では、結局のところ先でみたように何も手を打た(あるいは効果測定を実施し)ないことが多い。だから、長時間労働という問題と対峙したとき、形式的な対応策に終始してしまう。その最たる例が、残業しているのに一定時刻でタイムカード等の打刻をさせ、見かけ上の数字を抑えるその場しのぎの対策だ。次に○時以降は残業禁止、毎週〇曜日はノー残業デー等も要注意である。功を奏する策である一方、導入方法を誤ると一定時刻で打刻させる措置と変わらない事態に陥る危険性がある。持ち帰り残業や、他の曜日に残業しなかった日の穴埋めをしている場合があるからだ。
さらには百歩譲って何か対策を施そうと試みても、現場任せである場合が多い。経営陣が長時間労働抑止に向けた指示を出すのみで具体策は現場に押し付けてしまうのだ。とかく長時間労働の問題は、マネジメント(サービス提供の見直し・受注方法・人員配置・作業管理体制等々)まで切り込まなければ抜本的な解決には繋がらず、労働者側だけの工夫だけでは無理がある。すなわち、経営陣がきちんとコミットした上で取り組まなければ解決策を見出すことは困難である。
さらには百歩譲って何か対策を施そうと試みても、現場任せである場合が多い。経営陣が長時間労働抑止に向けた指示を出すのみで具体策は現場に押し付けてしまうのだ。とかく長時間労働の問題は、マネジメント(サービス提供の見直し・受注方法・人員配置・作業管理体制等々)まで切り込まなければ抜本的な解決には繋がらず、労働者側だけの工夫だけでは無理がある。すなわち、経営陣がきちんとコミットした上で取り組まなければ解決策を見出すことは困難である。
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