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働き方改革、その先にみるもの

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メリハリ社員の増殖計画を!

 「モーレツ社員」という言葉があるが、これに代わる「メリハリ社員」をいかに数多く誕生させることができるかが企業存続の鍵となるのではないか。「メリハリ社員」とは、文字通りメリハリのついた働き方をする社員を指す筆者の造語である。メリハリ社員を増殖させるためには、企業もマネジメントを変えていく必要がある。筆者の知る範囲だが、メリハリある働き方をさせている会社は生産性が落ちるどころか、むしろ伸びている。例えば、かつては残業も多く休日も少なかったが、家庭を築いた社員の占める割合が増え、家族サービスをする時間への需要が増えていくことになった中小企業がある。この対策として、有給休暇取得率向上(後に取得率98%を達成)を目指したのであるが、この企業は過去最高の売上高を更新している。働く時間が減っても、基本的に仕事量は変わらないため効率的に働くことが求められる。取得率向上のおかげで、各社員が計画的に仕事をすることへ意識が向かうようになった。メリハリ社員の誕生である。また、自社で本当に必要なサービスかを吟味し、一部取りやめ、一部を外注に出すこともした。必要な作業だけれども、あえて人がやる必要がないと判断したものは可能な限りシステム化して機械に代替させるといったことも試みている。

おわりに

 しばしば「うちはサービス業で、お客様あっての仕事だから長時間労働は仕方ない」的な言葉が聞かれる。しかし、これは長時間労働を正当化するための言い訳であるということに企業は気づかねばならないと思う。日本は諸外国と比較して過剰サービスだと指摘されることがある。働き方改革を進めるなかで、このサービス提供は省くべきではないか、深夜まで営業する必要があるのか、世間が休日とされる日にあえて営業する意味はあるのか、自社の時間外でも対応しなければならないサービスなのか等々を考えていくことを余儀なくされるだろう。もちろん、過剰サービスだと言われる点が日本企業の強みでもある。とはいえ、働き手が減少していけば、顧客の利便性の追及にも自ずと限界が訪れる。働き方改革を実現すべく、メリハリ社員を増殖させるとともに、限られた人材のなかで不必要な過剰サービスを削ぎ落としていく覚悟が経営者に求められている。


SRC・総合労務センター 株式会社エンブレス 特定社会保険労務士 佐藤正欣】

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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