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ARがビジネスを変える!?

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 スマートフォン用ゲームアプリ、ポケモンGOが人気だ。さすがに配信開始直後の熱狂的ともいうべきブームは落ち着いたものの、相変わらずスマホ片手にポケモン集めに熱中している人達は多い。

 ポケモンGOの大ヒットで、あらためて注目を集めているのがAR技術だ。ARとは「Augmented Reality」の略で「拡張現実」と訳される。スマホやタブレットのカメラに写し出される現実世界の風景に、さまざまな情報を加えて表示する技術だ。
 加えることができる情報は写真、イラスト、テキスト、動画、音声などさまざま。ポケモンGOでは、現実の風景のなかにポケモンを重ねて表示することで、あたかもそこにいるかのような感覚をユーザーに与えている。
 このAR、大きく2つのタイプがある。1つは位置情報型ARとかロケーションベースARと呼ばれるもので、GPSなどから取得した位置情報を元に情報を表示するというもの。つまり、特定の場所に行くと特定の情報が表示される。ポケモンGOはこのタイプだ。
 もう一つは画像認識型ARとかビジョンベースARと呼ばれるもので、画像認識技術を利用して図形や物体、空間などを識別し、特定の情報を表示するというものだ。

 ARは商品プロモーションなど、さまざまな用途での活用が考えられている。以下、実際にARが使用された例をいくつか紹介しよう。
 化粧品のメイベリン・ニューヨークはARを活用したネイルのプロモーションを行った。専用のアプリをダウンロードしたスマホを指先にかざすと、同社のネイル商品を塗った状態が表示されるというもの。ネイルは塗ったり、落としたりするのに手間がかかり、気軽に試すのが難しい。そうしたわずらわしさを解消して、購入に結び付けるのが狙いだ。
 スイスの腕時計ブランドTISSOTも似た商品プロモーションを行った。店舗の前を通り掛かった人に紙でできた黒い時計型のリストバンドを渡す。このリストバンドをして、店舗の外に設置されている端末に腕をかざすと、同社の腕時計をはめた映像が表示される仕組みだ。表示される時計は秒針まで現在の時刻を示すリアルなもの。
 このプロモーション、ロンドンで行ったときには3週間で85パーセントの売上増になったという。
 イギリスに本社をおく小売店のTESCOは、カタログにAR技術を活用した。専用アプリをインストールしたスマホをカタログにかざすと、そのページに設定されている動画や画像ボタンが表示されるというものだ。気に入った商品があれば簡単にインターネット通販のページに飛ぶこともできる。
 インターネット通販の場合、通常は商品を検索するためにキーワードや商品コードを打ち込む必要がある。そのわずらわしさが軽減されるというわけだ。

AR技術を活用してタイムスリップ感覚を楽しむ

 観光分野での活用も行われている。佐賀県立名護屋城博物館はARを使い、かつての名護屋城を再現する「バーチャル名護屋城」のサービスを提供している。
 名護屋城は豊臣秀吉が朝鮮出兵のときに建てた城で当時は大坂城に次ぐ規模だった。周辺には全国から参集した大名の陣屋が130以上も建てられ、人口20万を超える城下町が出現したという。しかし、現在では建物はすべて失われている。それを再現したCGが見られるのが「バーチャル名護屋城」だ。
 スマホやタブレットなどに専用アプリをインストール、それをもちながら城跡を散策すると、GPSデータによる位置情報により、今いる場所の420年前の風景が表示される仕組みだ。向きを変えれば表示されるCGもそれに併せてリアルタイムで動き、あたかもタイムスリップしたような感覚が味わえる。

 以上、紹介したのはARを活用した事例のほんの一部だ。今やスマホやタブレットはほとんどの人が持つ情報デバイス。ARをビジネスに応用した例が、今後も、数多く出てきそうだ。

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 経営プロ編集部

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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