
6月に発表され話題になっていた「レクサス ホバーボード」の全容がついに明らかになった。器具の形状や使い方はスケートボードやスノーボードを思わせるが、磁気浮上技術を使い、人が乗ってもレールから完全に浮き上がった状態で滑ることができる。先端技術を用いて、これまでにない「乗り物」の楽しさを提案するこの試み、イノベーションが苦手と言われる日本企業の新たな挑戦の始まりとなり得るだろうか?
グローバルな連携が可能にした「浮遊するスケートボード」
この「レクサス ホバーボード」は低温保持装置を備えており、液体窒素でマイナス197℃まで冷却された内蔵の超伝導体が、永久磁石のレール上に置かれることで浮力を生み出す。まさに「浮遊するスケートボード」だ。ドイツの科学者チームの協力を得、18か月かけてこのホバーボードを開発。プロスケーターのロス・マクグランをテストライダーに起用し、ドイツ・ドレスデンでテストを繰り返してきたという。
垣間見えるトヨタ/レクサスのイメージ戦略
注目されるのは、本来若者の遊びであるスケートボードの楽しさを、あえて先端技術と融合させて、新しい楽しさを提案していることだ。開発プロセスをまとめた動画では、革新的技術だけでなく、世界に動きの楽しさを提案するというコンセプトも強調されている。
そこから見えてくるのは、「大人のラグジュアリーカー」というこれまでのレクサスのイメージを打ち破るという狙いだ。トヨタ/レクサスらしからぬ、遊び心のある新しい提案をあえてすることにより、旗艦ブランドであるレクサスのイメージを「高級」「信頼」から「創造」「革新」「楽しさ」へと広げ、さらにはトヨタ全体のイメージアップにつなげていくという狙いが、そこには隠されているのかもしれない。
このトヨタ/レクサスの試みは「グローバルに通用するイノベーション」という、日本企業全体が今取り組むべき課題につながっている。
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そこから見えてくるのは、「大人のラグジュアリーカー」というこれまでのレクサスのイメージを打ち破るという狙いだ。トヨタ/レクサスらしからぬ、遊び心のある新しい提案をあえてすることにより、旗艦ブランドであるレクサスのイメージを「高級」「信頼」から「創造」「革新」「楽しさ」へと広げ、さらにはトヨタ全体のイメージアップにつなげていくという狙いが、そこには隠されているのかもしれない。
このトヨタ/レクサスの試みは「グローバルに通用するイノベーション」という、日本企業全体が今取り組むべき課題につながっている。
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