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企業価値を評価することの意義

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企業価値を金額に換算してみる

企業価値を金額に換算してみる

 「企業価値」の意味するところは広く、その考え方も様々であるが、ここでは主に定量的に測定できるものを取り上げる。経済紙などで伝えられる上場企業の株式時価総額やM&Aの買収額などはよく知られているが、どのような意味があるのだろうか。
 こういった企業価値の把握は何も上場企業やM&Aに関係する企業だけに必要というわけではない。たとえば、後継者が決まっていない企業や事業譲渡を検討しているならば必須だろうし、自社が買収の標的になるかも知れない。市場で算定される企業価値を知ることは、経営者だけではなく従業員やステークホルダーのためにも必要なことである。
 以降、最近のM&A事例を取り上げ、「企業価値の評価法」について考えてみたい。

M&Aの世界で使われている企業価値の評価法

 以下、サントリーホールディングスによる米ビーム社の買収ケースの概要である。

・ビーム社の過去3ケ月の平均株価を24%上回る1株当り83.5ドルで買収
・株式時価総額136億ドルに長期有利子負債20億ドルを加えた企業価値(EV)は約160億ドル→これが買収額
・営業利益5.75億ドル、減価償却1.1億ドル→EBITDA(*):6.85億ドル、EV/EBITDA倍率(*):160億ドル÷6.85億ドル=23.3倍

 一般的なM&A のEV/EBITDA倍率は10倍までが目安といわれているので、かなり高いように思えるが…たとえば、以前話題になったソフトバンクのスプリント買収は12倍程度であった。
 この買収金額は妥当なのか?企業文化の異なる海外企業とのシナジー効果は期待できるのか?といった疑問もあるが、買収金額や倍率に正解がある訳ではない。この事業資産からどのように収益を上げていくかは、今後の経営次第ということになる。
 M&AにおけるEV/EBITDA倍率が意味するものは、「買収額に対して、何年分のキャッシュフローで回収できるか」を表した数字である。算出の前提となる各数字は過去実績に基づくものであり、環境変化や今後の経営戦略などにより変わってくる。高いか安いかは一概には言えないだろう。

企業価値の評価方法

 企業価値の評価方法には大きく以下の3つがある。

①資産評価法 コスト・アプローチ
 企業の保有する資産・負債を時価で評価する方法、中小企業や企業を清算するときに使われることが多い。
②収益評価法 インカム・アプローチ
 企業が将来生み出すキャッシュフローを資本コストで割り引くことでその現在価値を算出する方法。DCF(Discounted Cash Flow Model)法がよく使われる
③市場評価法 マーケット・アプローチ
 上場企業については株式時価総額に負債の金額を加えた金額を企業価値とする方法。未上場企業については類似する上場企業の株価指標から類推する。算定指標としてEV/EBITDA倍率がよく使われる。

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