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「かとく」と「過重労働特別監督管理官」が始動する!

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労基署による指導のあり方も変化している

 長時間労働抑止に向けてこれまでも法整備が行われてきた。その度にこれに適う形で行政による指導のあり方も変化している。筆者の個人的な印象として、かつて時間外労働に対する指導で重きを置いていたのは、割増賃金の支払いがなされているか否かであったように思う。すなわち、未払部分がないかという点が大きかった。時間外・休日労働に関する協定届(以下「36協定」)についても、過半数労働者等と締結した協定が届出されているか否か、時間外労働の限度に関する基準に抵触していないか否かに重きが置かれてきた。
 しかし、数年前から昨今の長時間労働による精神障害発症等の問題も相まって、実際の時間外労働が協定で設定された枠内におさまっているか、36協定の弾力措置である特別条項部分における時間設定といった詳細内容にまで注視される傾向にある。とかく特別条項については、発動できるのが一年の半分という制限が付されているものの、労使双方の協議さえ整えば無制限に何時間でも設定できてしまうからである。したがって、ここで過大な時間設定をしている企業には今まで以上にメスが入ると考えてよいだろう。

おわりに

 以上を勘案すると、“過重労働撲滅特別対策班”“過重労働特別監督管理官”の新設・配置は、長時間労働是正に向けて国が更に積極的に動き出すこととなる証左に他ならない。そのため、月80時間以上の残業が恒常化している企業の経営者は、労働時間削減に向けて真剣にこの問題と対峙しなければならない。長時間労働は当たり前、残業代を支払ってさえいれば問題ないという意識では危険である。某大手靴販会社のように長時間労働という事実によって会社とその役員が書類送検されるケースは、今後中小企業でも起こり得るからである。ひとたびこのような事実が世間に出回れば、中小企業経営において致命的であることは説明するまでもないだろう。
 長時間労働は、自社の大切な労働者の健康や命を奪う危険性を孕む上に、自社の会社の存立を脅かすものであるという認識を経営者は改めて持つ必要がある。


SRC・総合労務センター 株式会社エンブレス 特定社会保険労務士 佐藤正欣】

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