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コスト、それとも投資? 注目が集まる企業の「健康経営」

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企業が従業員の健康をサポートするというと、「それって福利厚生でしょ」、「利益に直結しないコストだよね」と感じる人がまだ多いかもしれない。だが、その“常識”が変わり始めているようだ。最近、従業員の健康管理を経営的視点から考え、戦略的に実践する「健康経営」が大きくクローズアップされ、企業から熱い注目を浴びている。

この動きを後押ししているのが、2015年12月1日に施行される改正労働安全衛生法に基づき、新たにスタートするストレスチェック制度。メンタルヘルス対策を強化するため、従業員50人以上のすべての事業場で、年1回のストレスチェックと面接指導の実施が義務付けられることになった。

この制度によって、医師、保健師などによるストレスチェックを実施することと、高ストレスと評価された労働者から申し出があったときは、医師による面接指導を行うことが事業者の義務になる。従業員50人未満の事業場については、当分の間、「努力義務」とされているが、将来は「義務」に変わる可能性もあるだろう。企業としては、もちろん、改正法で義務付けられたことに対応するだけでもいいのだが、法定以上の手厚い対応を行い、これをきっかけに健康経営を始めようという企業も出てきている。

その背景にあるのは、少子高齢化社会がますます進み、「社員が高齢化した」といった企業への影響が大きくなっていることへの危機感。人口が減って労働力の確保が難しくなる一方、高齢者の医療費はさらに増え、企業の負担も重くなると見込まれている。そこで、健康経営に取り組み、シニアになっても心身ともに元気に働ける社員を増やして、労働力確保、生産性向上、そして医療費削減につなげていこうというわけだ。実際、健康経営の先進企業の中には、従業員の健康に関するデータを集めて分析し、生活習慣病やがんなどの病気になる前にきめ細かな予防策を打って医療費の削減に成功しているケースもある。

健康経営を導入する企業が増えるよう、国も支援策を打ち出している。たとえば、経済産業省は東京証券取引所と共同で「健康経営銘柄」を選定し、魅力ある企業として投資家に紹介する取り組みをスタートした。これからの時代は、企業が従業員の健康づくりにかかわることをコストとして後ろ向きに捉えるのではなく、リスクマネジメントや成長のための投資という観点から積極的に取り組むことが重要になってきそうだ。

「健康経営に取り組んでみようか」という企業は、まず、ストレスチェック義務化にどう対応するかを考えることから始めてもいい。改正法に対応したサービスはさまざまなものが提供されているから、検討してみるといいだろう。

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