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日米の独身者急増とビジネスチャンス

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2035年には50%近くが生涯独身に

2035年には50%近くが生涯独身に

今から約10年前、阿部寛主演の『結婚できない男』というテレビドラマが話題になった。ドラマが制作されたのは2006年。その前年の男性生涯未婚率は15.7%、女性は7.25%だった。生涯未婚率とは、50歳時で一度も結婚したこと無い人の割合のことだ。それが2010年には男性20.14%、女性10.61%に上昇。
 さらに、2015年10月27日に発表された2015年版の厚生労働白書によれば、2035年に男性は29.0%、女性は19.2%になると予測されている。男女合わせて48.2%。20年後には約半数の日本人が生涯独身になるという予測は、社会に衝撃を与えた。1970年に男性1.70%、女性3.34%と皆婚が常識だったことを考えると、日本人の結婚に対するスタンスは、この40年で劇的な変化を遂げたことになる。

性別生涯未婚率
年次
1985年4.3%3.9%
1990年5.6%4.3%
1995年9.0%5.1%
2000年12.6%5.8%
2005年16.0%7.3%
2010年20.1%10.6%
2015年(推計)24.2%14.9%
2020年(推計)26.6%17.8%
2025年(推計)27.4%18.9%
2030年(推計)27.6%18.8%
2035年(推計)29.00%19.2%

資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)(2013年1月推計)」、「人口統計資料集(2014年版)」

米国でも1億700万人、18歳以上の45%が独身に

 結婚しない独身が多いのは日本だけかと思いきや、実は米国でも独身者は増え続けている。米国の統計局が9月に発表したところによれば、18歳以上の米国人の45%が独身であり、その数は1億700万人。18歳以上の女性の53%、男性の47%が結婚していない。5800万世帯は未婚の男性か女性によって形成されており、全世帯の47%を占める。緑の芝生に白い大きな家、車が2台あるアメリカの中産階級のファミリーライフといったものは、地方はともかく、大都市ではほぼ消滅しつつあるようだ。 The Christian Science Monitorの2015年6月14日の記事によれば、1980年代から2000年代前半に生まれたミレニアル世代で結婚が「最も重要なことの一つ」と答えた人は30%に過ぎなかった。1997年に1961年から1981年まれのジェネレーションXの47%がイエスと答えたことを考えると、価値観が大きく変化しているのがわかる。2010年にワシントンD.C.のピュー研究所の調査員たちは、「結婚という制度はすたれつつある」と語っている。

30代以降の中高年シングルは優良顧客

 未婚率が上昇すると少子化はさらに進行するため、長期的には経済に悪影響を及ぼすが、短期的には毎月の小遣いを十分に使える大人の独身者が増えて、その層をターゲットとしたビジネスが潤う可能性は高くなる。そこには、ファミリー層とは異なる独身者の消費マインドが潜んでいる。その心理を理解することにより、幅広い業界において独身貴族相手に付加価値の高いビジネスを展開していくことができるはずだ。これまでは、30歳以降の独身者に対するサービスはあまり重視されてこなかった。ファミリー向け、若者向けと異なり、中高年シングル市場はいわば日陰の存在だった。しかし、独身者を既婚者層と比較すると、月々の自由に使えるお金に余裕があり、週末にも家族サービスをする必要がなく、自分の趣味や興味のある分野に時間を使うことができる。彼らが日頃から抱いている不満やニーズに対してピタリと合うサービスを提供すれば、優良顧客になるはずである。

《次ページに続きます》

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