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相続・マイナンバーでの相続税対策として見直される純金資産

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 金には、金融資産と実物資産、両方の性質がある。こうした資産はプラチナなどを除いて、あまり見あたらない。主な購入方法としては、金融市場のETF(上場投信)などで購入する、現物を購入して保管口座に預託する、軽量の金を自分で保管するという3つの選択肢がある。有事に強いのは3番目の方法だ。

 日本で相続税対策として注目されているのも、3番目の軽量の金を毎年買い貯めて、自宅や貸金庫に保管するものである。毎年 110万円以内の金を購入して、子供や孫に譲渡していくのであれば、贈与税はかからない。それに、現物として保有する金には所有者の名義が登録されない。

 マイナンバー制度の実施が決まり、現物資産である金も対象になるのではとの見方が金保有者の間で広がって、貴金属店の窓口では質問をする顧客が後を絶たない。金の保有者は、目先の金の価格よりも、金の売買・保有状況を税務署が把握することになるのかどうかを心配しているのだ。幸いなことに、内閣府によれば、「金保有については今のところ議論の俎上にはあがっていない」という。

 もちろん故人から金を相続すれば、相続税の課税対象になる。しかし自宅保管の金はマイナンバーでもチェックできないため、不動産や銀行預金と比べると、税務署が全容を把握することは難しい。ただし、金を1度に 200万円以上売却すると、買取り業者が「支払い調書」を提出する義務が生じるため、それよりも軽量な金の購入が人気だ。業者によっては500g、1kgなどの金を小分け加工し、換金額が200万円を超えないようにするサービスを提供しているところもある。

 スイスには、子供が生まれると毎年の誕生日に1枚ずつ金貨を購入し、写真と一緒にアルバムに貼り付けていく習慣があるという。そして子供が結婚するときにアルバムをプレゼントするのだ。1オンス(28.3g)金貨の価値は 約15万円(2015年10月時点)だから、それが20年分ならば 約300万円の資産になる。かつて日本では、娘が生まれると庭に桐の木を植え、嫁入りのときにそれで箪笥を作って嫁入り道具にしたが、今では庭のある家に住める人は少なく、箪笥に入れる着物を持っていく人も少なくなった。その点、金貨なら保管場所も取らず、価値は万国共通だ。マイナンバー制度導入は、個人の資産の在り方を見直すよいチャンスかもしれない。


【経営プロ編集部 ライター:島崎由貴子】

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