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お金を介さない新たなシェアリングエコノミーの潮流「フード・スワップ」と「タイムバンク」

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高齢社会にこそ有効な現金のいらない仕組み

調査会社のニールセンが2013年に60の国と地域の消費者を対象に行った「シェアコミュニティに関するグローバル調査」では、オンラインアンケートの回答者約3万人の68%が、金銭を得るためにモノや知識などの個人資産を共有/レンタルしても良いと考えていることがわかった。また、66%の人が、他人がレンタルするモノやサービスを利用することに前向きだった。

 さらに2014年に発表された同社のシェアリングエコノミーに関するグローバル調査では、インドネシア、タイ、フィリピンの消費者は個人資産を共有または貸し出すことに極めて意欲的で、インドネシアの消費者の87%、フィリピンの85%、タイの84%がシェアコミュニティの製品/サービスを活用・レンタルしたいと思うと答えた。ところが、日本は40%とアジアで最低。世界平均が66%だから、これは東南アジアはもとより、グローバルに見ても際立って低い数字だ。

 高齢化が急速に進む日本では、老後の生活設計が立たない高齢者が増えている。現金を必要とせず、経験やスキルを必要とするモノやサービスと好感できる「フード・スワップ」と「タイムバンク」の仕組みは日本にこそ有効なはずだ。例えば、子育て経験が豊富な女性は、ワーキングマザーの子供を預かることでタイムマネーを貯め、冬に自宅の屋根に雪が積もった時に、雪かきを依頼すればいい。それなら、年配者が屋根に上るのを心配することもないし、行政が税金を使う必要もない。しかも、地域の人と人とが顔を合わせるタイムバンクの仕組みは、地震や津波、台風など自然災害が起こった時も、互いに助け合う「人的インフラ」となるはずだ。グローバルなシェアリングエコノミーの潮流は、我々日本人に価値観の転換と新しい資本主義の枠組みの構築を促しているように思えてならない。


【経営プロ編集部 ライター:島崎由貴子】

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