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5割以上の企業が事業承継に「3年以上」を要する状況が判明。中小企業や建設業の移行期間が長期化する理由とは

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株式会社帝国データバンク(以下、TDB)は2021年9月14日、「事業承継にともなう後継者への移行期間」に関する調査の結果を発表した。調査期間は2021年8月18日~31日で、全国の11,170社から回答を得た。これにより、企業規模や業種別での、事業承継にかかる移行期間などが明らかとなった。なお、事業承継に関する調査は2021年5月に続き、今回で4回目となる。

事業承継の移行期間として最も多いのは「3~5年程度」で約4分の1に

企業経営者の高齢化が進み、全国の後継者不在率は2020年時点で65.1%(TDB「全国企業『後継者不在率』動向調査」2020年11月発表)を記録するなど、後継者不在による事業承継問題は喫緊の課題だ。このような状況のなか、実際に事業承継を実施するには、どの程度の期間が必要となるのだろうか。

はじめに、「事業承継を行う際の後継者への移行期間(後継者決定から事業承継が完了するまでにかかる期間)」を尋ねた。すると、最多だったのは「3~5年程度」で26.9%に。以下、「6~9年程度」が13.8%、「1~2年程度」が11.3%、「10年以上」が11.2%と、僅差で続いた。これらを合計すると、移行期間に「3年以上」を要する企業は、半数を上回る51.9%となった。

企業からは、「後継者決定後に、技術系習得のため3~5年の育成期間が必要」(電気通信工事、鹿児島県)や、「スキルだけでなく経営者としての思考性を育成するために、10年以上じっくりと時間をかけたい」(電気機械器具卸売、愛知県)などの声があがった。他方で、「移行期間が延びると後継者のモチベーション低下が懸念されるので、1年以内に交代させたい」(鉄スクラップ卸売、福島県)といった声もあった。
事業承継の移行期間として最も多いのは「3~5年程度」で約4分の1に

中小企業は、大企業と比べて移行期間が長い傾向にある

また、「事業承継の移行期間が3年以上かかる」と回答した企業を企業規模別に見ると、「大企業」では「3~5年程度」、「6~9年程度」、「10年以上」の合計が41%だった。対して、「中小企業」は合計54.1%、「小規模企業」は合計55.7%となり、それぞれ大企業より10ポイント以上高いことが見て取れる。

この要因として、中小企業からは「優良な中小企業も、現在の相続税のルールでは後継者が借金を背負うことになり、困っている」(機械工具卸売、香川県)という税制上の問題や、「事業承継ができる人材を中小零細企業が見つけることは難しい」(生菓子製造、福岡県)といった声があがった。
中小企業は、大企業と比べて移行期間が長い傾向にある

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