
もしも、社長に万が一のことがあり不幸にも他界してしまった場合、残された遺族は国の年金制度からどのような支援を受けられるのか。前回の「個人オーナー編」では、男性の個人オーナーが他界したケースを例に考えてみた。今回は、男性の法人・代表取締役が他界したケースを例に、残された妻がどのような年金をもらえるのかを考えてみよう。
子どもがいなくても遺族年金を残せる、法人・代表取締役
法人・代表取締役は、「国民年金」と「厚生年金」という2つの公的年金制度に加入をしている。その場合、残された配偶者には「国民年金の遺族年金(遺族基礎年金)」と、「厚生年金の遺族年金(遺族厚生年金)」とが支払われることになる。配偶者に「遺族基礎年金」しか残せない個人オーナーに比し、2つの遺族年金を残せるが法人・代表取締役の特徴である。
「遺族基礎年金」が支払われる基準は、個人オーナーの配偶者と法人・代表取締役の配偶者とで相違はないので、概要を知りたい方はこちらを参照していただきたい。
それでは、「遺族厚生年金」の仕組みについて、基本的なポイントを見ていこう。前回のコラムでは、「遺族基礎年金」は、原則として18歳(高校を卒業する年齢)になる前の子どもがいないと、支払い対象にならないことを説明した。ところが、「遺族厚生年金」には、そのような制限がない。
従って、法人・代表取締役である夫が他界した場合には、「子どもがいない」、「すでに子どもは成人している」などのケースでも、残された妻は「遺族厚生年金」を受け取れることになる。この点は、遺族年金に関する個人オーナーと法人・代表取締役との大きな相違点といえるだろう。
「遺族基礎年金」が支払われる基準は、個人オーナーの配偶者と法人・代表取締役の配偶者とで相違はないので、概要を知りたい方はこちらを参照していただきたい。
それでは、「遺族厚生年金」の仕組みについて、基本的なポイントを見ていこう。前回のコラムでは、「遺族基礎年金」は、原則として18歳(高校を卒業する年齢)になる前の子どもがいないと、支払い対象にならないことを説明した。ところが、「遺族厚生年金」には、そのような制限がない。
従って、法人・代表取締役である夫が他界した場合には、「子どもがいない」、「すでに子どもは成人している」などのケースでも、残された妻は「遺族厚生年金」を受け取れることになる。この点は、遺族年金に関する個人オーナーと法人・代表取締役との大きな相違点といえるだろう。
子どもがいない場合、妻が受け取る遺族厚生年金は増額される
また、子どもがいないために「遺族基礎年金」がもらえない妻の場合、夫の他界時に妻の年齢が40歳以上65歳未満であれば、「遺族厚生年金」が増額されるという仕組みも用意されている。具体的には、「遺族厚生年金」に「中高齢寡婦加算」という名称の上乗せが行われるのが原則であり、これは、妻が65歳になるまで付与され続ける。
現在、「中高齢寡婦加算」の金額は、1年間で58万5700円である。そのため、仮に妻が40歳から65歳になるまでの25年間で、遺族厚生年金にこの上乗せが付与され続けたとすると、累計で約1464万円(=58万5700円×25年間)を余計に受け取れる計算になる(令和3年度の金額で概算した場合)。
なお、“18歳になる前の子どもがいる”など「遺族基礎年金」をもらえる妻の場合には、「遺族基礎年金」をもらえなくなった時に40歳以上65歳未満であれば、同様の上乗せが行われることになっている。
現在、「中高齢寡婦加算」の金額は、1年間で58万5700円である。そのため、仮に妻が40歳から65歳になるまでの25年間で、遺族厚生年金にこの上乗せが付与され続けたとすると、累計で約1464万円(=58万5700円×25年間)を余計に受け取れる計算になる(令和3年度の金額で概算した場合)。
なお、“18歳になる前の子どもがいる”など「遺族基礎年金」をもらえる妻の場合には、「遺族基礎年金」をもらえなくなった時に40歳以上65歳未満であれば、同様の上乗せが行われることになっている。
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