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【社長の年金】第11回:万が一の時、社長は家族にどんな年金を残せるのか<個人オーナー編>

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「私に万が一のことがあったら、家族は生活をしていけるだろうか」と考える社長は、少なくないだろう。もしも、社長に万が一のことがあり、不幸にも他界してしまった場合、残された遺族は「国の年金制度」からどのような支援を受けられるのだろうか。今回は、男性の個人オーナーが他界したケースを例に、残された妻がどのように年金をもらえるのかを考えてみよう。

「子どものいない個人オーナー」は妻に遺族年金を1円も残せない

職場を法人化していない個人オーナーの場合、加入する公的年金制度は国民年金だけだ。そのような個人オーナーが他界すると、残された配偶者に対して、国民年金から「遺族基礎年金」という名称の年金が支払われることになる。

ただし、「遺族基礎年金」には極めて大きな注意点がある。子どもがいないと1円も支払われないのだ。具体的には、個人オーナーである夫が他界し、その妻に「高校を卒業する年齢になる前の子ども」(※)がいない場合には、全く支払い対象にならないのが遺族基礎年金の最大の特徴である。

そのため、次のようなケースで個人オーナーである夫が他界した場合、残された妻に対する遺族基礎年金は全く支払われることがない。

・結婚をして間がないため、まだ子どもをもうけていなかった
・子どもを欲しかったが、残念ながら子宝に恵まれなかった
・すでに子どもは成人している


また、遺族基礎年金は「高校を卒業する年齢になる前の子ども」がいることが支払条件なので、例えば高校3年生の子どもを持つ個人オーナーが他界した場合、残された妻に遺族基礎年金は支払われるものの、1年も経たずに支払いが終了してしまうことになる。

「自分に万が一のことがあれば、国から妻に遺族年金が支払われるから大丈夫!」という考えは、必ずしも当てはまるとは言えないので、注意が必要である。

※正確には、「18歳到達年度の末日(3月31日)を経過していない子」という(編註:なお、「20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の子」がいる場合も支払い対象となる)。

個人オーナーに「保険料の納め不足」があると、遺族年金が支払われないことも

個人オーナーである夫が他界した場合に、残された妻が遺族基礎年金を受け取るためにはもうひとつ条件がある。個人オーナーである夫が、「生前に一定以上、国民年金の保険料を納めていること」だ。

具体的には、個人オーナーである夫が、次のいずれかの条件を満たすことが原則とされている。

(1)生前に国民年金保険料を3分の2以上納めていること
(2)他界する直前の1年間について、国民年金保険料を全て納めていること


例えば、「国民年金に30年間加入した個人オーナー」が他界した場合には、30年の3分の2に当たる20年間、国民年金保険料を納めていれば、(1)の条件をクリアすることになる。

それでは、もしもこの個人オーナーが保険料を納めた期間が、15年しかない場合はどうだろうか。30年のうち15年しか納めていないのであれば、(1)の「生前に国民年金保険料を3分の2以上納めていること」という条件を満たせない。

しかし、このような場合でも、仮に「他界する直前の1年間は国民年金保険料を漏れなく納めている」のであれば、(2)の条件をクリアできる。その結果、残された妻に遺族基礎年金が支払われることになるのだ。

以上のように、遺族基礎年金は「必ずしも保険料を全部納めていなくても支払われる」という特徴も持ち合わせている。

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