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クラウドファンディングによる資金調達とは

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投資型クラウドファンディングの特性と課題

一方、株式型はネットを通じて未公開企業に株式の形態で投資できる仕組みだが、融資型に比べて普及が進んでいないのが現状だ。ファンド型は資金提供者が匿名組合契約等に基づいて集団投資スキームの持ち分を取得する仕組みだが、これも普及は進んでいない。どちらも融資型に比べて複雑な金融の仕組みを必要とするため、クラウドファンディングならではの手軽さと相容れない部分があるのかもしれない。
今回の法改正にはこれら投資型クラウドファンディングのハードルを下げ、普及を促す目的で行われたものだ。たとえば必要な資本金は5,000万円から1,000万円へと引き下げられた。
新しい金融サービスの普及には、リスクの懸念がつきまとうが、これに配慮して、今回の法改正では発行総額上限1億円、投資者1人当たりの投資額上限50万円など、事業が失敗した場合のリスクを小さくする配慮も盛り込まれた。
ただし、こうした制限によって資金調達の規模や、事業が成功した場合に得られる投資者の利益が抑えられてしまい、クラウドファンディング事業者は参入する意欲があまり湧かないのではないか危惧もあるようだ。
この法改正では資金調達企業に情報公開の充実を義務づけているが、起業したての未公開企業がいかに投資家を納得させる公開性や透明性を実現していくかも大きな課題のひとつだろう。

地方の伝統的ビジネスの活性化に役立つ?

それでは投資型クラウドファンディングを活用してメリットがある企業とはどのような企業だろうか?
スタートアップ関連のニュース・データベースサイト「THE BRIDGE」の記事「資金調達の新しい潮流となるか。クラウドファンディング法案が成立、2015年の施行に向けた動きが始まる」(2014年5月26日)は、日本クラウド証券の代表取締役・大前和徳氏の見解として、「ネット系企業ではなく、ものづくりや伝統的なビジネスを営んでいる企業に大きな可能性がある」ことを紹介している。夢や新しい技術・ビジネスモデルだけで起業した全く新しい企業より、地域・社会にしっかり根を張り、実績もある企業の新たな資金調達手段として有望だというわけだ。
また、株式型クラウドファンディングだけで事業性・継続性を維持するのは難しいので、スタートアップ企業はこれだけに依存しない事業モデルを構築していくことが必要だとも指摘している。

わかりやすさのメリットを活かす

ビジネス情報サイト「HARBOR BUSINESS Online」の記事「クラウドファンディングの法改正で生まれる新しい資金調達の形」(2015年6月4日)では、現在の金融市況はクラウドファンディングを用いなくても資金調達することは難しくない状態であり、投資型クラウドファンディングを活用してメリットのある企業は、こうした良い市況でも資金調達が難しい企業だと述べている。
具体的には、プロダクトの開発にかなりの初期投資が必要で、しかも課金型ネットサービスのようにマネタイズによる回収が難しい業種、たとえばハードウェア製品、映画・映像・音楽のように、コンテンツで勝負する企業ということになる。
こうしたプロダクト・作品はわかりやすく、魅力があればネットを通じて多数の支持を得やすいという特性を持つ。つまりクラウドファンディングは、ネットを通じて理解されやすい具体性を持ち、なおかつ既存の金融市場で資金調達がしにくい事業との親和性が高いということのようだ。
いずれにしても、まず事業の特性や資金ニーズ、様々な調達方法のメリット/デメリット、調達によって生じる責任・負担などを十分検討した上で、最も適した調達方法を選択すべきであるのは、クラウドファンディングも既存の金融サービスも変わりはないと言えるだろう。

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経営者・事業部門責任者から部長・課長・リーダー層まで、経営の根幹を支える人たちの成長を支援するパートナーメディアを目指します。日々の業務に役立つニュースや小ネタ、組織強化や経営理論まで幅広く学べる記事を提供します。

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