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企業永続のカギは、「採用」よりも「次世代経営者候補育成」

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人には寿命がある。ゆえに、いかなる時代であっても、永続的な企業発展に向けて、次世代の経営を担う人材の育成は必須だ。さらに現代では、グローバル化や、労働人口減少など、日本企業を取り巻く環境の変化により、経営が直面する課題の難易度が高まっている。そこで経営人材には、より高く・多角的な能力が求められることとなる。次世代経営者候補(次世代リーダー)を育成への経営的重要性は増すばかりだが、企業の取り組み状況はどうだろうか。

人事の最重要課題は「次世代経営者候補育成」

 HR総研(ProFuture株式会社)にて、上場/非上場企業の人事を対象に「採用・人材育成・配置・人材ポートフォリオ面での課題」を調査したところ、最多回答は「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」(64%)であった。次に「新卒採用」(60%)、「中途採用」(52%)である。

 また、択一式で聞いた「最重要課題」でも、「次期経営者候補(次世代リーダー)育成」(28%)は最多回答であり、次点の「新卒採用」(13%)の2倍以上の回答があった。
 「次期経営者候補育成」は、「採用」よりも、多くの企業で課題としてとらえられている。

ステークフォルダーの数だけ重要度を増す「次世代経営者候補育成」

 では、課題に対する取り組み状況はどうだろうか。実際、「次期経営者候補育成」に取り組んでいるかを調査したところ、全体で33%が「現在取り組んでいる」、23%が「取り組みを検討中」であり、半数を超える企業で対応が進行している。
 ただし、企業規模別での差異は大きく、大企業(1001名以上)では50%が「現在取り組んでいる」が、中小企業(300名以下)では25%に留まっているのが現状だ。
 なお、大企業に注目すると、上場企業(1部・2部・新興市場)では「現在取り組んでいる」が59%、非上場企業では36%と、20ポイント以上の差異がある。中小企業では、上場/非上場での差異はみられない。
 利益を創出し続けることは、企業存続の前提であるが、多くの従業員や、株主など、ステークホルダーの多い企業ほど、「次世代経営者候補育成」を重要視していると言えよう。
 
 企業経営を取り巻く環境は大きく変化しており、従来の経験・知識を積み上げることでの課題解決が難しくなっている。自社の存在意義を客観的な視点から再認識し、不確実な中でリスクを背負いながらも、意思決定をし、多様な利害関係者の意図や背景背景、成約条件を捉えた上で合意点を見出し、関係者を巻き込みながら事業を推進していける人材が求められている。
 このような人材は、従来型の新卒一括採用・人材の年次管理・全体の底上げを目した階層別の育成では、輩出は難しいことは想像に難くないが、事業をとりまく環境変化の速さとそれに応じたリーダー像の変化や、現在の次世代リーダー群の充足度によっても、必要となる育成スピードや最適な育成対象層は異なり、「次世代経営者育成」についても「解」があるわけではない。自社を取り巻く環境や戦略を踏まえ、そのために必要となる経営人材像と、その育成対象や方法を検討することが重要である。

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ProFuture株式会社内に設立された調査・研究機関です。人事が変革のエージェントになるためのサポートをミッションとし、企業・団体のHR領域に関する調査・研究を行っています。

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